1月、唐戸地区にこれまでにない商業施設「唐戸はれて横丁」が誕生しました。
唐戸はれて横丁は単なる商業施設ではなく、ここには意欲的な人が気軽に創業でき、経営を続けることができる仕組みがあります。
地方創生の「下関モデル」と言われる、唐戸はれて横丁の仕組みや人々の想いに迫ります。
唐戸はれて横丁は神社の前に広がる横丁をイメージ(写真(1)(2))。亀山八幡宮の節分祭が、唐戸はれて横丁でも(写真(3))。唐戸はれて横丁の魅力は出店者。19人の出店者は個性豊か。末永雄太さんと、片桐邦雄さんは小学1年生からの友人。2人でお笑い芸人をしていた時に、アルバイト先の飲食店で磨いた腕を振るう(写真(4))。マジシャンようじさんは、マジックショーでお客さんを楽しませる(写真(5))。北村優也さんは、初対面のお客さんともすぐに打ち解ける(写真(6))。ソムリエの徳山優也さんは、焼き鳥とワインへの愛が半端無い(写真(7))。吉本竜也さんは「お客さんを笑わせて楽しんでもらいたい」と、面白いと思ってもらえる料理を開発中(写真(8))。
店ごとのメニューにも個性が光る。素材にこだわった、食べて健康・きれいになるスイーツ(写真(9))は、病気の家族への思いやりから生まれた。高品質な「やまぐち和牛燦」のステーキ(写真(10))は部位も選べる。10時間かけて作り上げた熟成焼き芋の天ぷら(写真(11))。下関人が知っているようで知らない、水を使わない「とんちゃん鍋」(写真(12))。下関名物瓦そばを使った「瓦そばドッグ」「瓦そばおやき」(写真(13))。山口県産の旬の食材にこだわった寿司を、目の前で握り、楽しませてくれる(写真(14))。「出店者はみんな仲が良く、励まし、助け合っています。仲間がいるので心強く、ここでお店を出して良かったです」と、三ツ川由香さん(写真(15)右から2人目)。
(QRコード)唐戸はれて横丁HP
※写真、QRコードは本紙参照
■杉村太蔵さん
株式会社ここはれて代表取締役社長。投資家、元衆議院議員で、メディアでも活躍中。
■下関に白羽の矢が立つ
1月25日、商業施設「唐戸はれて横丁」が誕生しました。亀山八幡宮に隣接する、民間による地方創生事業の施設です。
この事業を立ち上げたのは創業支援会社「ここはれて」の杉村太蔵代表取締役社長。杉村さんは、地元の北海道旭川市でも商業施設を立ち上げています。旭川とは地理的に対極にあって、中核市規模で創業支援ができる場所を探したそうです。
「全国各地を見て回りましたが、下関の唐戸商店会の皆さんが、一番熱心に私の話を聞いてくれました。なので、何度も何度も下関へ通いました」
杉村さんの話を聞いた協同組合唐戸商店会(唐戸はれて横丁会長)の倉本喜博さんは最初は半信半疑でしたが、何度も話を重ねるうちに、こんな施設ができれば良いなと思うようになったそうです。こうして、地元の協力のもと、施設の計画は進んでいきました。
■出店者を応援する仕組み
唐戸はれて横丁は、出店しやすい仕組みになっています(左図…本紙参照)。
「この仕組みであれば、万が一失敗しても多額の負債が残らないから、思い切って挑戦してみようという人たちが出てきてくれるのではないかという仮説を立てました」と、杉村さん。
出店者説明会には200人が集まり、応募があったのは94人。そこから、何度も選考を重ね、19人が選ばれました。
「出店者の売り上げは、運営会社の売り上げに直結しています。私と出店者は同じ運命共同体だと考えています。実は起業自体は難しくなくて、その先の、どれだけ経営を続けられるかということが重要です。これから店が成り立つように支援もしていきます」
■出店者を育てる
「下関で生まれ育った人たちが、これからも住み続けたいと思って挑戦している。この成功は、下関市民の成功にもつながると思っています。ここには多くの観光客もいらっしゃいます。下関の印象がここで決まる可能性があります。市民の皆さんには『これは高すぎる、これはまずい』など、出店者を厳しい目で育てていただきたい。出店者が育つことで、サービスも向上します。唐戸はれて横丁はスタートしましたが、まだ3割の出来だと思っています。5年かけて、施設も良くしていき、完成させたいと思います」
■下関をより住みやすいまちに
今後、唐戸はれて横丁で経験を積んだ経営者が、商店街へ出店するなど、波及効果も期待されています。
「ビジネスが成功し、税収が増えて、その税金を使って行政が市民サービスを向上させ、下関をより住みやすいまちにする。これを補助金を使わないでやるのが私のポリシーです。この下関モデルが成功したら、他の自治体でもやっていきたいと考えています」たくさんの可能性を秘めた、唐戸はれて横丁に、今日も賑やかな声が響きます。
□出店の仕組み
【入居時】
敷金、礼金、保証金なし
テーブル、椅子、厨房などが標準装備
【決済方法】
キャッシュレス推奨
【家賃等相当額】
売り上げの2割を支払い
【退去時】
違約金、原状回復義務なし
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