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自治体の皆さまへ

人が人を呼ぶ(1)

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山口県下関市

自然と文化に恵まれた海峡と歴史のまち・下関。
美しい景観や深い歴史など、その魅力もさることながら、
移住者たちが感じたもう一つの魅力。
それは、そこに暮らす「人」でした。

豊北町島戸地区。県内でも有数の観光地の一つ角島大橋の近くに位置する港町です。
今回お邪魔したのは、移住者が集まるジェラート屋さんポポロ。インタビューを通じて、少子高齢化が進む中「地域を感じてもらいたい」と、この地に移住した方が手掛ける取り組みをご紹介します。

(写真)
秋枝俊充さん Uターン
角島ジェラートPOPORO専務。
父母とともに地域活性化のため奮闘。

秋枝博之さん Uターン
角島ジェラートPOPORO統括マネージャー。

秋枝美香さん Iターン
角島ジェラートPOPORO代表。
震災を機に宮城県から移住。看板作成の発案者。

ケイさん Iターン
もともと東京でシェアハウスを経営していた。
シェアandゲストハウスSumikkoオーナー。

むっちさん Iターン
工事現場管理、製造業勤務を経て、現在はSumikkoの運営に携わる。

エリさん 移住検討中
Sumikkoで暮らす、今まさに移住検討中の方。

※写真は本紙参照

■家あるけど、使うか?
ケイ
私は移住先を探していて、天草か、沖縄か、海がきれいな所に住みたいなと考えていました。下関に来たのは、関東から天草に行く途中に、友達に会いに寄ったことがきっかけでした。それまでまったく知らなかったのですが、来てみると海がとてもきれいで。
そこで、豊浦町に移住した辻翔平さんの工房を見学する機会がありました。辻さんのおかげでたくさんの人とつながることができたし、さらに「家あるけど使うか?」と、なんと家まで紹介していただきました。

(写真)辻翔平さん
▼市報しものせき令和4年11月号で紹介
URL:https://static.yamaguchi-ebooks.jp/actibook_data/20211130_shimonoseki_202211/HTML5/pc.html#/page/27
※写真は本紙参照

むっち
下関に来る前は、長門のまちづくりに関わっていました。古民家改修の経験があったので、Sumikkoの話を聞いて、おもしろそうだなと思い、手伝うようになりました。

ケイ
いろいろピースがそろって、「これはやらんといけんのじゃないの」と、移住を決意しました。まさに、きっかけは人です。

■移住する人が増えてくれたら
ケイ
Sumikkoがきっかけで移住してくれた人もいます。

むっち
子どもの頃に家族旅行で角島大橋に来たことが印象に残っていたそうで、男2人自転車旅で神奈川から下関に来てくれました。

ケイ
1週間ぐらい滞在した後、そのうちの1人が「ここに残りたいです」と。その理由が、私たちのことが大好きになったということで、うれしかったですね。

むっち
彼は次の日からバイトを探し、今はSumikkoのスタッフとして一緒に暮らしています。

■自作の看板に込めた想い
博之
写真のモデルは三男の俊充とその嫁と孫です。お食い初めの帰りに写真を撮ろうという話になって。嫁の妹が撮ってくれました。

美香
看板を作ろうと思って写真を撮ったわけではないのですが、写真がとても気に入って、看板を作ることにしました。

俊充
自分の子ども世代は、同級生が豊北町内で7人。友達の家に遊びに行くことすらできなくなるのではという不安があります。

美香
人口減少は大きな問題です。ここに移住してきてほしいという思いがあります。自分の子どもが地元を振り向いてくれなくて誰が振り向いてくれるだろう? そう考え、まずは娘を引きずり込み、そして息子を引きずり込み…。

俊充
家が取り壊されてスカスカになっていく地域の現状を見て、このままではまずいと感じました。田舎の特権、例えば、都心部ではしにくいバーベキューなど、体験できる強みをアピールできたら、住みたいと思ってもらうきっかけになると思いました。

美香
息子が改修したガレージで、スイーツラボという体験型のメニューを始めました。観光で来た方たちに、もっとのんびり滞在してもらいたいという思いです。

俊充
ただ過ぎ去って行く場所で終わらないように、ジェラートを食べてさようならではなく、ゆっくり過ごしてもらうことで、島戸の良さを感じてもらいたいです。

■ここで暮らそう~島戸~
俊充
自分たちが住んでいるのは島戸です。自分たちの足元を見て、できる範囲のことをおのおのがやっていくことで、相乗効果が生まれるんじゃないかなと思います。

むっち
他の地域にはまた別の資源がありますし。そうすることで地域が一体となって盛り上がっていくと思います。

ケイ
Sumikkoに1週間いてもらえたら、いろんな人と話をして人とつながる機会をつくりたいです。1日でも長く島戸にいて、島戸を感じてほしい。2泊目から安くしますよ。今はエリちゃんに、良い所だよとアピールしています。

俊充
父母が、人を呼び込んでくれる場所をつくってくれたので、これを利用して島戸を活性化させていきたいです。

美香
ここで暮らしている人の課題は一緒なんです。人がいない。みんなで助け合いながら、知恵を絞って解決していけたらいいなと思います。

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