■一般社団法人 からまち
「地域にかがやく わがまち商店街表彰2024」を受賞。
商店街組織を一本化し、新たな挑戦!
唐戸商店街をよみがえらせる
■唐戸地区の商店街 次世代に誇れる街に
□商店街の危機
「3年前、唐戸の商店街組織は、解散の危機に陥っていました」。そう語るのは、一般社団法人からまちの副代表理事・梶原康弘さん。大型ショッピングモールやコンビニとの競合、地域内人口の減少、特に中心市街地の空洞化に伴う消費の減退などの環境変化に加え、店舗やアーケードの老朽化、経営者の高齢化と後継者問題など、さまざまな問題が年々重くのしかかっていたからです。
平成20年代、行政主導で中心市街地活性化基本計画の下、商店街の再生に向けた取り組みを試みましたが、根本的な解決には至りませんでした。
また、唐戸地区には、協同組合唐戸商店会と赤間本通り商店街振興組合の2つの法人、通り会として4つの任意団体が存在。アーケードの設置から40年以上経過する中、アーケードの形状や大きさなどが異なるため、維持・修繕にかかる経費も通り会ごとに異なるなど、一枚岩になれない状況があったのです。
□商組織の一本化しかない
「これまで商店街を支えてくれた方々の組織再編に向けた理解を得ることがやはり大変だった」と理事の野村泰三さん。前出の通り会4つを協同組合に統合、まちづくり組織として「からまち」を設立し、2つの法人の事務局を担うことで商店街全体の意思疎通を図りました。複雑だった各商店・通り会との合意形成を容易にし、商店街全体を一つのチームにするという大きなかじを切ったのです。
□唐戸・再生へ
からまちでは、5カ年計画を策定。その実現に向けて、令和5年度から、さまざまな取り組みに着手しています。
まず、AIカメラやPOSシステムを活用した来訪者情報の分析。来訪者の情報からニーズを分析して最適な業種業態の店舗展開を進めていく予定です。そして、「観光ウォーカブル都市・唐戸」の実現に向けて、コンテナショップを設置したり、エリアマップ等を搭載したアプリを開発したり、パークレットと呼ばれる木製のベンチや子どもの遊び場を設置したりして、常に人が歩く→消費が増える→出店希望者が増える→そして歩く人が増える、という好循環を生み出していくことを目指します。
これらが全国でも珍しい取り組みと評価され、このたび経済産業省が主催する「地域にかがやく わがまち商店街表彰2024」を受賞しました。
「これまでは、だんだんと店舗が閉まっていく状況でしたが、これからは新しい店ができている、という前向きな変化を感じてもらえると思います。ぜひ唐戸に足を運んでみてください」と梶原さん。
生まれ変わった唐戸商店街の今後が楽しみです。
(写真)からまちの副代表理事・梶原康弘さん。
「青年部を立ち上げ、イベント開催等も積極的に行います」
(写真)コンテナショップを設置
唐戸地区への出店の敷居を下げ、軌道に乗ったら唐戸商店街の空き店舗等に出店してもらう仕組みづくりをしている。すでに2者が正規店舗での開業を予定している。
(写真)パークレットを設置
パークレットとは、道路の一部を転用して歩行者が休憩等をするための空間とするもの。国土交通省の「ほこみち(歩行者利便増進道路)制度」を活用。ちょっと休憩したり、飲食したり、子どもが遊んだり…。木の温もりがあって、とても安らぐ場所だ。
(写真)オーバーツーリズム対策としてトゥクトゥクを導入
連休中などは、唐戸周辺の道路・駐車場は渋滞するため、駅や離れた駐車場から唐戸までの送迎を行うためにトゥクトゥクの活用を計画。
(写真)「地域にかがやく わがまち商店街表彰2024」表彰式
齋藤経済産業大臣(中央)と、協同組合唐戸商店会理事長の山口昌則さん(左)と一般社団法人からまち副代表理事の梶原さん
※写真は本紙参照
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