新年のあいさつ(2)

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◆夢とビジョンをもって町づくりを
和木町議会議長　兼本信昌

令和7年の新しい年が明けました。町民の皆さまには、穏やかな新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。旧年中は私たち議会に対し、深いご理解と温かいご協力をいただき誠にありがとうございました。今年も皆さまの期待に添えるよう、町民福祉のために頑張ってまいります。
昨年を振り返ると、国内外ともに世界は混迷の度が増すばかりで、果して未来はどうなるのだろうかと不安を感じます。ロシアとウクライナの戦役は泥沼化し、イスラエルとパレスチナ紛争もシリア・レバノンに拡大し終わりが見えません。地球温暖化は進みパリ協定の実行も危ぶまれ、本気で二酸化炭素を減らさないと地球は熱くなる一方です。政治も混迷の中で、石破政権の発足やトランプ大統領の復活と先行きが見えません。そんな中でも、パリ五輪・パラリンピックの開幕や大谷翔平選手の活躍、そして日本被団協のノーベル平和賞受賞など心を明るくする話題もありました。皆さんは、何に興味を持たれましたか。
さて、標題に挙げた「夢とビジョンをもって町づくりを」ですが、混迷する時代の中、つい私たちは少子高齢化や人口減少という決まり文句で思考停止して、10年・20年後の未来を思い描くことを忘れています。個人も企業も、政治も行政も、地元の人も町外出身者も、今こそ皆で「こんな町になったらいいな」という未来の姿を言葉に表してみることが大事です。「未来の姿」も難しいものではなく、「快適に歩ける町」、「車なしで暮らせる町」、「安心して子育てできる町」で良いのです。オープンに議論することで、町や地域のビジョンが見えてきます。皆の夢も広がり、やがて夢を実現するための手順を計画し、実行するのです。尊敬する吉田松陰は、私たちのために次の言葉を残しています。

夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。
故に、
夢なき者に成功なし。

これからの町づくりに必要なのは、「夢」ではないでしょうか。是非、ともに夢を言葉にして実現していきましょう。住民の代表である議会も、皆さんの夢が実現できるように皆さんと共に会話を続けていきますので、引続きの温かいご支援をお願いします。
結びに、本年が皆さまにとりまして幸せで実り多く、大いなる飛躍の年となりますことを心よりお祈りし、新年のご挨拶といたします。

◆何事も最初が肝心
和木町教育長　重岡良典

明けましておめでとうございます
皆さまには、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、「一年の計は元旦にあり」とよく言われますが、この言葉の由来としてあげられるのは、中国の明代に憑慶京(ひょうおうきょう)という学者によって著された書物「月令広義(げつりょうこうぎ)」に見られます。「月令広義」は中国の伝統的な年中行事やしきたりが解説されているもので、そのなかに
「一日(いちじつ)の計は晨にあり、一年の計は春にあり」
という一文が記載されています。晨は「あした」と読み、朝のことを指します。春は正月を意味していて、全体では、一日の初めである朝や一年の初めである正月にこそ計画を立てるべきである、という戒めです。なお、一日は「いちにち」や「ついたち」ではなく、「いちじつ」と読むのが正解のようです。「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」のあとには、
「一生の計は勤(つとめ)にあり、一家の計は身にあり」
という言葉が続きます。
全体では初頭に計画を立てることで日々の充実度が決まり、勤勉に働くことで一生が決まり、健康維持によって一家の行く末が決まるという意味合いになります。
「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」を合わせて「四計」といい、よき人生の設計に欠かせない大切な計画とされているものです。
もう一つ、毛利元就の有名な言葉の中からも「一年の計は元旦にあり」の由来を見ることができます。
毛利元就が語ったとされている
「一年の計は春にあり、
一月の計は朔にあり、
一日の計は鶏鳴にあり」
があります。朔は「ついたち」と読み、月初めの日のことです。また鶏鳴は「けいめい」と読み、鶏の鳴き声のことから一番鶏が鳴く早朝のことを指す言葉です。毛利元就の言葉は、一年、一月、一日それぞれの最初のときこそが計画を立てるべきときであるということを言ったものです。
憑慶京や毛利元就が残した「『何事も最初が肝心』であるという戒めの言葉」を噛みしめながら、一人ひとりの多様な幸せと社会全体の幸せであるウェルビーイングの実現をめざした教育行政を進め、各種の事業を最後までやり抜く所存です。皆さま方のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
結びに、本年が皆さまにとりまして、明るく希望に満ちた実り多い年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。