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自治体の皆さまへ

すまいる Smile~30cmのガイドロープに2人の想いを乗せて

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山口県岩国市

■Vol.169 市岡智浩さん(平田在住)
令和4年2月から障害者の仲間づくりや体力づくり・居場所づくりを目的とした「チャレンジドRUNいわくに」の代表を務める。好きな言葉は「挑戦」

「僕が挑戦している姿を見た人が、自分も頑張ろうと思ってくれたら嬉しいですね」そう話すのは、2023ジャパンパラ全盲クラス100mの部で金メダルに輝いた市岡智浩さんです。
市岡さんは小学生の頃から足が速く、中学生で本格的に陸上を始めます。中学1年生で山口県東部新人戦200mの部を制し、華々しいデビューを飾りましたが、そこから思うように記録が伸びず、不完全燃焼のまま高校生で、陸上生活を離れました。
そんな市岡さんに病気の症状が出始めたのは19歳の時。緑内障の影響で右目がほとんど見えなくなりました。それでも、市岡さんは「左目は見えるので」とポジティブに生活していたと言います。しかし次第に左目も悪くなり、両目とも視力が悪くなると、何をするにも人の力が必要で、自分に自信が持てなくなっていきました。
40歳になったある日、気分転換に近所の坂道を全力で走ると、なんとも言えない開放感を味わいました。「自分の足で走ることで気持ちを開放でき、自由になれたと強く実感できた」とその日のことを振り返ります。
その後、陸上競技を再開した市岡さん。一緒に走る伴走者を探していると、現在のパートナーでもある古川正人さんと出会います。「初めて彼と2人で走った時、ガイドロープを持って走っているはずなのに、1人で走っているかのような感覚になれた」と話します。
古川さんと練習を重ねて参加した2022ジャパンパラでは銀メダル、そして今年2023ジャパンパラで、念願の金メダルを獲得します。
「パラスポーツには無限の可能性があるんです。43歳でも金メダルが獲れるし、目の障害でどん底を経験した僕が自信を取り戻すことができた。これからは講演や講座にも挑戦し、僕の経験を聞いたり、姿を見たりした人が何かに挑戦しようと思ってくれたら嬉しいです」と市岡さんは新たな目標に向けて走り始めます。

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