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なるほど健康教室[220]

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山口県岩国市

●黄斑(おうはん)変性症

黄斑変性症は、一般的に目の病気である加齢性黄斑変性症のことを言いますが、「黄斑」が名前に入っている病気が多いことから、他の病気と勘違いする人もいます。
日本では、ここ30年くらいでかなり増えてきた病気で、もともとは欧米人に多い病気とされていました。日本で増えてきた要因として、食の欧米化が指摘されており、肉類や糖分の多い食事が誘因だと言われています。その他にも喫煙もリスク要因とされています。
黄斑という場所は、目の奥にある網膜という神経の中心部分で、物を見るときの中心となります。加齢性黄斑変性症では、黄斑に異常な血管が出現し、破裂することなどで徐々に、あるいは急激に見え方が悪化します。
症状は視界中心部分の視野が欠けたり、線が歪(ゆが)んで見えたりしますが、両目で見ていると、病気ではない目が見え方を補っているので、気付きにくい点に注意が必要です。片目を隠すことでそれぞれの目をチェックすることができますので、格子状の枠などを片目ずつで見て、歪みがないかチェックすることを勧めています。
検査はアムスラーチャート(歪みの検査)、光干渉断層(ひかりかんしょうだんそう)撮影、蛍光眼底造影検査などの機器を使用して、黄斑部分の網膜や脈絡膜(みゃくらくまく)の変化を診察します。
治療方法としては、抗VEGF抗体という薬を目の中に注射する硝子体(しょうしたい)注射治療が一般的です。この治療は病気が再燃するたびに追加注射を行うため、根気のいる治療となりますが、最も効果のある治療法です。
ただし元通りには治らないため、歪みや視力低下は残ってしまいます。その他にも、病気のタイプによってはレーザー治療や手術治療などを実施することがあります。進行した病気では、治療効果が期待できず、手が打てない状況になることもあります。
50歳以上の人や目の見え方が気になる人は、セルフチェックや眼科での定期検査をお勧めします。
〔岩国市医師会〕

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