『AI時代を迎えて』
ちらし寿司を作りたくて、スマホに問いかけると、事細かに画面表示をしてくれました。これはスマホと人口知能(AI)とがかかわっているからです。
AIとは、人がこれまでに実現したさまざまな知覚や知能などをコンピュータ―に学習させたものです。その学習済みのデータをインターネットでつないだり、自動車や家電などのさまざまな電子機器に搭載させて私たちの質問に答えたり、仕事の代行をしてくれたり、生命の危機的な状況を教えてくれたりしています。
現在は、生成AIの時代に入りました。生成AIはすでに学習済みのさまざまなデータを組み合わせて、新しい作品を生成するなどの高度な能力を備えています。
しかし、この能力を利用した不正等が発生している事には注意が必要です。
子供たちは、パソコンやスマホなどの機器を持っています。それを使えば宿題はやってくれるし、ゲームは楽しいし、相談相手はSNSを使えば簡単に見つかります。少子化の中で電子機器が寂しさを補ってくれるのでしょうか。
家庭生活では、電化製品全般に電子機器が組み込まれて自動化が進み、家事量は大幅に減少しお手伝いは少なくなりました。
社会生活では、買い物の支払いはキャッシュレスが進み、会話を交わす場面も少なくなり、人と人とが会話を交わす交流は希薄となりました。
こうしたことは、人間関係の煩わしさを避け、楽な仕事を好み、仕事を機械任せにするなどの自己中心的な人を生んでいくのでしょうか。
このような時代背景が、肉親にも躊躇なく危害を加える行動にもつながっているのでしょうか。
ヒトは、共同生活をすることで命を繋ぎ文明を発展させました。この共同生活が機能不全になると、ヒト社会は崩壊する事態となるかもしれません。
今後もAIは進化しますが、ヒト社会は崩壊することなく進歩・発展を続けなくてはなりません。そのためには、人と人との出会いの場に積極的に参加し、笑顔で言葉を交わしながら泣き笑いを共有し、交流を深めることが必要です。
なぜなら、人との交流を通して得られる温かい思いやりの心を感じ取ることで、自分で自分を律することを学び、人として生きる倫理観を身につけた人間を育成していくことが喫緊の課題だと思うからです。
平生町人権教育推進協議会
(事務局 町教育委員会)
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