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私たちと人権シリーズ

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山口県田布施町

温かい『ことばかけ』

更生保護女性会 谷 茂子

皆さんは、『更生』という言葉をご存じでしょうか。「さらに生きる」「立ち直る」という意味で、二つの文字を組み合わせると『甦る=よみがえる』という字になり、「罪を犯した人の立ち直りを支える」のが『更生保護』です。再犯を防ぐには地域の温かい居場所づくりが大切です。
数年前、大阪の警察署から逃走した容疑者のニュースが話題にのぼりました。周南の道の駅で万引きの現行犯で捕まったことは皆さんも記憶に残っているかと思います。
盗んだ自転車で四十八日間、逃走する中で周防大島の道の駅には、十日近くも滞在したようです。雨が降った日に「寝泊りに使っていいよ」と倉庫を開放されたお礼に草引きをしたり、周防大島を発つときには「最高の思い出ができました」と丁寧なお礼の手紙の中に、利用者を増やすためのアドバイスまで書いていたそうです。彼は何度も罪を繰り返し何度も捕まっていました。でも、その彼が草引きをしたりお礼の手紙まで書いたりと、どうしてそこまでできたのでしょうか。それは、住民の方の心の温かさに触れたことがきっかけではないでしょうか。「日本一周頑張りなさいね」「おなかがすいたじゃろう。これを食べて」など優しいことばをかけてもらい、少しの間でも彼は素直な優しい気持ちになれたのかもしれません。
現在、罪を犯した人の社会復帰はまだまだ十分とは言えず、再犯防止は今や大きな課題となっています。彼はまだ罪を償ってはいませんが、罪を償い、立ち直ろうとしている人に対して、仕事や落ち着ける場所と共に温かい言葉かけがいかに大事であるかということを強く思いました。わたしたちはそんな温かい町づくりをめざしています。

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