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自治体の皆さまへ

病院だより145

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山口県美祢市

■新年明けましておめでとうございます。
美祢市病院事業管理者 髙橋睦夫

年末年始は多くの方がご家族とご一緒に過ごされ、健やかに輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が我が国で令和2年2月から流行して以来、約4年が経ちますが、昨年の後半になってようやくコロナウィルス感染症に収束の兆しがみえて来ました。このコロナウィルス感染症の治療に多大な貢献をしたのがコロナウィルスに対する特異ワクチンの開発でした。このワクチンは従来の弱毒ウィルス投与などによる免疫現象での感染症制御と異なり、人工的に作製されたmRNA(メッセンジャーRNA)投与により、コロナウィルス感染症を制御するものでした。このmRNAワクチンの作製法は、短期間で多量のワクチンが生成出来るので、今後コロナウィルス感染症のみにとどまらず、他の多くの感染症のワクチン作製法となることが期待されています。このワクチンの作製に多大な貢献をした米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ客員教授とドリュー・ワイスマン教授の二人が令和5年のノーベル生理学・医学賞を授賞しました。
わが国における医療関係で大きな改革法が本年4月から施行されます。それは令和3年5月に成立した改正医療法で、医師の働き方改革を進めて行く上で併せて取り組むべき地域医療体制の改革、チーム医療やタスクシフト/シェアの推進のほか、「医師の時間外労働の上限に関する事項」が定められました。従来、わが国の医療は、医師の強い使命感の下で地域の医療を支える自己犠牲的な長時間労働により支えられている状態でした。このような中、医師が健康に働き続けられる環境を整えることは、医師本人の健康の確保のみならず、国民に対して提供される医療の質や安全を確保することにつながり、医療を支える多様な人材の確保にもつながるはずです。そこで本年4月から、時間外労働時間は過労死の上限と考えられている月80時間を原則として超えてはならないことになりました。そのためには、医療側(病院)としても守るべき規則や規律が多々ありますが、医療を受ける側としても救急を除き、勤務時間内に医療機関を受診するように心がけて頂きたいと思います。
昨年も本稿で記載しましたが、令和4年4月から総合診療医2名が常勤として美祢市立病院に着任しました。昨年10月からは総合診療を専攻する医師が1名新たに常勤で加わりました。総合診療専門医は外来や病棟での診療に加えて、在宅での診療(訪問診療)にも力をいれて取り組んでいます。「訪問診療」とは、「往診」の予定外(不定期)に在宅へ赴いて診療することと異なり、医師や看護師が定期的に自宅を訪問し、診察、治療、検査、投薬など一般的に病院で行われている医療サービスを提供することです。病院への通院が困難な方や、病院ではなく自宅での療養を望む方などが「訪問診療」の対象となります。在宅での療養中に入院治療が必要となった場合は、美祢市立病院は24時間体制で在宅療養支援病院となっていますので、ご安心ください。なお、美祢市立病院での「訪問診療」に興味あるいは希望される方は、通院先の主治医の先生にご相談ください。
さて、昨年はロシアのウクライナ侵攻に引き続き、パレスチナ武装組織ハマスの攻撃に始まるガザ地区へのイスラエルの報復攻撃があり、世界の至るところでの内戦などが勃発する不穏な一年でありました。戦争により破壊された地域の悲惨さは想像を絶するものがあります。戦争の終結は見通せず、仮に戦争が終わっても被害地の復興には、世界中の支援が必要と思います。今年は、世界中での紛争が収まることを祈念しています。

問い合わせ先:経営企画室
【電話】0837-52-1700

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