病院だより(149)

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美祢市病院事業管理者　清水良一

新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、健やかに輝かしい新年を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
美祢市では、一人でも多くの市民の方々に、自立した生活を長く営んでいただくことを目標に掲げて、四年前から健幸百寿プロジェクトが進行中です。
これまでに美祢市の市立二病院で特定健診等を受診された美祢市在住の皆様方の健康状況を解析し、その結果をもとに、既に昨年(令和六年)六月からは市民の皆様には特定健診等の受診時に、生活習慣に関連した美祢市独自のアンケート調査にお答えいただくだけで、個別に健康寿命の延伸に繋がる適切な助言を実施しているところです。
気の早い話ですが、今年の暮れ、令和七年十二月二十五日には昭和元年から数えて丸百年目がスタートし、令和八年十二月二十五日以降、いよいよ昭和生まれの方々も満百歳の仲間に加わるご時世となります。
過去には、明治四十年生まれの声楽家で、大阪芸術大学において七十九歳まで教鞭をとり、百歳を過ぎてもコンサートを行い、百七歳でも人との交流および日課のストレッチを欠かさず、平成二十八年に満百九歳に至って、老衰にてその生涯を終えられた嘉納愛子氏が平成二十六年六月に著書「五十、六十、花なら蕾七十八十、花盛り」を発行されています。この本のタイトルは、一度は耳にしたフレーズではないでしょうか。声を出し、筋肉を使うことが健康寿命の延伸に繋がるお手本のような人生を生き切られた方のお一人と考えます。
美祢市には今が花盛りの方々が大勢暮らしておられます。この花盛りの人生を長続きさせるためにも、今、市民の皆様方が取り組むべきことは、持病があれば、かかりつけ医の下で治療を継続して、健康の維持に努めることであり、他方、現在健康な方も、特定健診および、がん検診を必ず受診し、気になる兆候が見え始めれば、特定保健指導を受けるなど、健康寿命の延伸に注力することと心得てください。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養(睡眠)ならびに特定健診・がん検診の受診で健康維持・増進を図り、市民の皆様が健康寿命を延ばされることを切に願っています。
現在、美祢市立病院、美祢市立美東病院、美祢市介護老人保健施設グリーンヒル美祢、美祢市訪問看護ステーションで働くスタッフは、マンパワーの面では若干苦戦しているものの、へき地医療および介護を担うことに情熱を捧げることのできる優秀な人材が揃っています。
ちなみに、昨年(令和六年)十月からは美祢市立病院では消化器・腫瘍外科医四名体制が叶い、消化器疾患(胆石症・大腸がん等)、乳がん、肛門疾患(痔疾患)の手術も開始し、術後は合併症なく元気に退院されています。また、従前より、整形外科では骨接合術等の手術を行うなど、手術室の稼働も順調に増えつつあります。
最後に、美祢市のみならず、山口県の自治体病院およびその付帯施設は、市民・県民の皆様方のご協力があって、初めて、健全に機能し続けることが叶う状況にあることを御銘記いただければ幸いです。

問い合わせ先：美祢市立病院
【電話】0837-52-1700