萩市文化財保護審議会で、「シーボルトのピアノ附(つけたり)熊谷家文書三通四点」と「金谷神社の異人的額(まとがく)」を萩市指定文化財とすることが適当との答申を受け、4月22日、萩市教育委員会会議での可決、告示を経て、萩市の文化財として新たに指定しました。(今回の2件を含めて、市指定文化財は137件)
■有形文化財(歴史資料)
▽シーボルトのピアノ附熊谷家文書三通四点(今魚店町)
1819年に製造された英国製スクエアピアノでシーボルトが帰国する際、親交のあった萩藩御用商人熊谷家4代五右衛門義比(ごえもんよしかず)に贈り、現存する国内最古のピアノといわれています。
製造から200年以上が経過していますが、熊谷家が代々大切にし、程度も良く、日本における西洋医学の普及と、西洋における日本学の発展に大きく寄与したシーボルトが残したものであることは、歴史的・文化的価値が極めて高いものであるといえます。
■金谷神社の異人的額(堀内)
縦94cm、横192cmの木製の的額で、萩藩の大組銃隊(おおぐみじゅうたい)が1865年(慶応元年)6月に金谷神社に奉納。盤面の右寄りに軍服姿の西洋人が彩色で描かれ、左に隊員の名前が記載されています。
萩藩が最新鋭の鉄砲を採用し、西洋銃陣編成への転換を遂行した慶応軍制改革という歴史的事実を、視覚的に裏付ける史料です。
射撃の的にした西洋人を描いた奉納的額は他に例がなく、貴重な歴史的遺産として、現在は萩博物館が保管しています。
問合せ:文化財保護課
【電話】25-3299
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