■長門市消防団長 森孝彰さん
はじめに、能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を捧げます。
▽消防団に入団したきっかけ、経緯は?
地元(三隅小島分団)の消防団から誘われましたが、当時は仕事の関係で2年ほど待ってもらい、27歳で入団しました。入団して、今年で40年目になりますが、方面隊長、副団長などを経て、令和3年から団長兼長門市防災会議委員などをさせていただいています。
▽消防団は、どのような活動をしていますか?
消防団員は、火災や風水害時に出動し、災害対応および捜索活動にあたっています。定期的に火災訓練などの技術向上に努め、機械器具(消防車両など)の点検も行っています。団長になってからは、主に消防本部と連携しながら火災や災害の現場での指揮、監督にあたっています。団員は、家庭も仕事も持っていますので、団員の命を守ることも団長としての大切な役割だと思っています。
▽これまでの活動の中で印象に残っていることは?
過去に大規模な林野火災があり、2、3日がかりで消火活動を行ったことがありました。その時は、防災ヘリも出動するほどの大火災で、山の上だったこともあり、海から水を吸い上げるためにポンプを何台も中継しながら、夜中も交代で消火活動をしたことがあります。他にも、消火活動中、煙を吸って意識がもうろうとしていた団員に気付き、すぐに頭を下げさせて意識を取り戻した経験があり、本当に命がけの現場であることを実感することが多々ありました。
▽消防団に入団して良かったこと、得たものは?
火災などの緊急事態では、団員が協力し迅速に対応することや冷静な判断が求められます。火災現場や訓練活動を通じて、そのような緊急時の対応能力が身につき、日常生活の中でも、とても役に立っていると思います。また、地域活動においては催しなどのまちづくりや地域づくりにも欠かせない存在になっています。地域住民との交流が深まり、地域の人が困っていると、自分にできることがあれば手助けしようという気持ちが自然と身についた気がします。そして、最近は減りましたが、消防団の仲間と懇親会での語り合いや旅行を通じて、お互いの絆が深まりました。
▽地域にとって消防団とは?
消防団と地域は切り離せない関係です。地域と消防団が互いに助け合い、地域の皆さんの役に立つ、役に立てる消防団を目指し地域の魅力を高めていかなければなりません。消防団は、地域の安全・安心を守る最後の砦です。「自分たちのまちは自分たちで守る」という意志を持ち、地域の皆さんが笑顔で過ごせる、そのような役割の一端を消防団が担っていると思います。
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