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町長コラム 打てば響く

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山口県阿武町

■フィルターバブル
置かれている立場や政策の違いがあるにせよ、アメリカ国民が、民主党・共和党に分かれて、あそこまで争い、見方によれば憎しみ合ってさえいるのは何故でしょう。
私たちは、情報を得る手段として、テレビの他、フェイスブック、ヤフー、グーグル、インスタグラムなどを通じ、インターネット上のニュースなどを、よく見ています。
特に若い人はこの傾向が強いと言われ、若くはありませんが、私もそうです。
そのような中、以前から不思議だったのですが、ネットニュースにしても広告にしても、私の好みや傾向を見透かしているかのような情報が集まってくるように思えてなりませんでした。
こういったことによる弊害を「フィルターバブル」と言うそうですが、アメリカの政治学者であるイアン・ブレマー氏は、著書『危機の地政学』(日本経済新聞出版)の中で警鐘を鳴らしています。
氏によれば、「成人アメリカ人の約4分の3が毎日フェイス町長コラムブックを利用し、流れてくるニュースの中から、自分が賛同する記事に『いいね!』を押す。するとフェイスブックのアルゴリズム(データ処理手順)により、そのデータと、すでに把握しているその人の好みに合わせて、読みたいニュースや広告、コメントを多く表示し、好まないものは多く表示しない」とのこと。
さらに、氏は、多くのアメリカ人は、「国内や世界で何が起きているかについて、自分に賛同する意見ばかりに囲まれて、それ以外の多様な意見や事実を全く知らずにいる」と主張しています。
そうした見方をすると、アメリカやロシアの国民が置かれている状況と行動が、見えてくるようにも思えます。
私たちは、日本であっても、この「フィルターバブル」の中にあり、もしかしたら、自分好みの偏った情報だけが自分に提供されているかもしれないということを、しっかりと認識しておく必要があると思います。
花田憲彦(はなだのりひこ)町長

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