農林水産業を基盤とした地域づくりの優良事例を顕彰する、農林水産省の「豊かなむらづくり全国表彰」で、今年度、農事組合法人「福の里」が、大臣表彰に輝きました。
平成15年に設立された「福の里」ですが、前身は、長沢ため池の改修期間中の3年間、水稲に代わる大豆栽培などを地域5集落が共同で担うための組合でした。
栽培が順調にいったことから法人化の話が持ち上がり、現在はエリアを7集落に広げ、農地保全や加工・直売などの地域づくりを担う農事組合法人へと成長しています。
社会福祉法人「E.G.F」との「農福連携」の取り組みは、農業の担い手確保と、福祉施設利用者の就労の相乗効果が地域の活力につながっている先進事例として、全国的にも高い評価を受けています。
女性部の盛んな活動による賑わいづくりや環境美化、加工所・直売所の運営なども、JA販売店撤退も余儀なくされている中山間地域において、農村の暮らしを支え、活力を創出する取り組みとして、一層、その存在感を増しています。
■受賞に寄せて(市河憲良(いちかわのりよし)組合長)
今までやってきたことが認められ、地域のみなさんにも褒めていただけるということは、大変ありがたく思いますし、今からもずっと、やり続けていかなきゃいけません。
20年前の法人立ち上げ時には、「手間不足」は考えませんでしたが、今となると高齢化と担い手確保が課題です。
農業は、機械がどれだけ進歩しても、人がいらないという時代は来ませんし、せんないことも多い仕事です。
最近、東京の就農フェアをきっかけに、Iターンで「福の里」に就農してくれた若者がいます。彼には「せんない仕事だよ」と隠さずに伝えました。しっかりと納得した上で来てくれて、今も非常に良くやってくれており、本当に助かっています。
これからも、就農してくれる人を、なんとか1人でも増やしていきたいですね。それでないと、なんぼやっていこうと思っても、やれない状況が起こりますから、なんとか努めていきたいと思います。
大きな賞をいただいたからには、それを励みにしつつ、この賞に恥じないように努めていきたいと思っております。
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