文字サイズ
自治体の皆さまへ

議会だよりNo.91(5)

14/38

山口県阿武町

■行財政改革等特別委員会 12月8日開催
▼松田穣(まつだみのる)委員長
▽簡易水道・集落排水の設置等に関する条例
問:この条例の制定理由は。
土木建築課長:令和6年4月から、町の水道事業を、単式簿記の「特別会計」から、複式簿記の「公営企業会計」に移行するために、新たに条例を制定するものである。

▽令和5年度一般会計補正予算(第4回)
問:情報セキュリティ対策費について、阿武町のホームページが、Google(グーグル)Chrome(クローム)など一部のウェブブラウザで、セキュリティ仕様の変更によって閲覧できなくなった事象の解消のため、追加計上しているが、町民への周知は。
副町長:町単独ではなく、県と各市町が共同構築したセキュリティシステムの設定変更が必要で、約2ヶ月の期間を要するため、積極的に周知を行っていく。

問:保育所運営費の備品購入費の内容は。
健康福祉課長:来年度の福賀分園の休園に伴い、4月1日から園児を送迎する車両で使用する「チャイルドシート」2席と、車両に取り付ける「置き去り防止装置」を購入する。

問:林業政策費の地域おこし協力隊起業支援補助金の詳細は。
農林水産課長:
12月末で卒業する協力隊員が、卒業後も自伐型林業を生業としていくために必要な資機材の経費を計上している。
財源には特別地方交付税を充てる予定である。

問:可搬消防ポンプの購入理由は。
副町長:
奈古第1分団が全国消防操法大会に出場することもあり、新たにポンプを購入する。
現在、大会練習用に福賀分団の最新ポンプを借りている状態であり、福賀分団は、第1分団のポンプを積載車に乗せて対応している。

▽阿武町有林野条例改正についての請願
紹介議員:米津高明(よねつたかあき)議員

米津:
風力発電事業で町の貴重な山や、絶滅危惧種のアブサンショウウオの生息地を壊さないでほしい。
また、有識者を交えた現地調査の際には、山の斜面が崩れて通行困難な場所もあったが、工事が始まれば、さらに酷くなると懸念する。
山を守ることは海を守ることでもあり、自然を後世に残すためにも、現行の条例を改正しないでほしい。
市原:
町の自然環境や、安全な暮らしを守るために風力発電計画に反対する意見を前提とした請願だが、町が示している「自然環境や町民の健康が守られ、災害などへの対策が講じられており、妥当だと判断できた場合に限って計画案を許容する」とする姿勢は、請願者の意を汲むものではないか。
それを踏まえた上で、「町有林野条例」は60年以上前に制定された古い条例であるため、時代錯誤な内容も多く、風力発電施設に限らず、町有林を活用した「自伐型林業」の研修施設や「体験型観光」のための施設さえも、現行の条例下では整備できないほどである。
当然、慎重な検討は必要だが、時代に応じた条例改正の余地は必要である。
なお、新たな「調査特別委員会」設置を求める意見については、全8議席という阿武町議会の規模を鑑みて、既存の「行財政改革等特別委員会」でも同等の審議を行うことができており、新設の必要性がないのでは。
西村:
私も、宇田郷地区の方から、風力発電に反対する声をいくつか聞いているが、「いまはHSE社が、環境などへの影響や、その対策案をまとめている段階であるから、その内容を聞くまでは、賛成も反対もできない」と答えている。
事業者の説明を待ってからの審議でも遅くはないのではないか。
白松:
HSE社が、どのような住民説明会をするかは、まだわからないが、その出方を見て、町から何らかの判断が示されることになる。
その上で、健康被害や自然破壊などが懸念されるようであれば、議会においても、意見を戦わせる場が設けられるべきだが、いまはまだその時ではない。
池田:
「町有林野条例」に関しては、現状では、条例によって山が守られているのではなく、ただ放置されている状態であり、だからこそ崖崩れなども発生している。
近年、林業も重機を用いる形態が主体となっており、人の手を全く入れないことが、必ずしも「山を守ること」につながるわけではない。
条例改正については、その影響を見極めた上で判断するべきである。
上村:
請願は、風力発電計画を巡る「町有林野条例」改正の是非を問うものだが、条例自体が古い内容であるため、いずれにしても、時代の変化に合わせるため改正の審議は必要である。
それを踏まえた上で、請願に求めるところの「風力発電の是非が決まるまで、条例を改正しないでほしい」という点については、町がすでに示している通り、「環境などへの影響がなく、対策などが妥当だと判断されて初めて、条例改正案を議会に諮る」ということであるため、請願に寄らずとも、請願者の意見に沿う形になるのではないか。
米津:
風力発電施設は約20年の設置期間が考えられ、他の事業者の話では、「廃業後に地上設備は再利用のために撤去するが、土台として地下に埋めたコンクリートは残す事例もある」とのことである。
構築物が地下に残るということは、林野に戻らないということである。
たしかに、町が得る税収は増えるのかもしれないが、同時に「負の遺産」も、何十年も残り続けるわけである。
地球温暖化対策の一環とは言え、町有林を、公共利用に留まらない、一企業の利益につながる形で利用するのは、果たして適正なのか。
採決:審議の後、採決を行った結果、賛成1人、反対5人で「阿武町有林野条例改正についての請願」は、「不採択とすべきもの」と決した。

■現地踏査(12月8日)木与防災道路
木与第1・第3トンネルの工事現場を視察し、担当者から進捗状況などについて説明を受けました。

■阿武町議会のデジタル推進
議案説明書や予算書など、従来は紙に印刷していた資料について、今回の定例会からタブレット端末を正式導入し、デジタル運用に切り替えました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU