■一般質問第3回定例会 9月10日
▼米津高明(よねつたかあき)議員
▽国保税の引き下げについて
・基金は今後本当に必要な時に活用
問:
阿武町には現在約2億円の基金があり、国保加入の1世帯あたり約31万円となっている。
県内19市町で断トツの多さであり、過去の一般質問でも「基金があるからと安易に引き下げに使うのではない。19市町でも低い方であり、まだ引き下げようというのか」などと答弁がなされてきた。
基金は国保加入者の国保税が積みあがったものであり、速やかに基金を取り崩して国保加入者へ引き下げという形で返すべきではないか。
町長:
本町の国民健康保険事業財政調整基金は約2億円ある。
この国保事業特別会計の収入には、国保税のほかに町の一般会計からの繰入金、国・県からの保険基盤安定負担金や、県からの繰入金・特別調整交付金などで成り立っている。
この財源を基に、被保険者への保険給付費等を確保している。また、被保険者が、住民健診などの保険事業に取り組まれた結果、医療費の抑制につながり、余剰金が積みあがったものである。
国保税は県下でも一番低い状況であり、基金を使っての引き下げは必要ないと思っている。
今後この基金を使うとすれば激変緩和のためや、現在進めている新複合診療施設は、国・県からの補助や医師確保の観点から、国保の直営診療所とすることが望ましく、その際基金から一定額を整備費の一部に充てることも考えられる。
▽副町長と総務課長事務取扱兼任について
・現状の体制を継続していく
問:6月議会で「法的には何ら問題がない」との答弁だったが、この根拠はどこにあるのか。また、「臨時」という言葉をどう認識しているのか。
町長:
阿武町のような小さい町では、副町長が総務課長の職務を取り扱うことは十分可能であると確信している。
行事が重なった時や、対外的にも総務課長が、町長の代理というのではなく、特別職として副町長が、町長の代理を務めるということが重要と考えている。現時点では兼務を解消する考えはない。
また、「臨時」について、地方自治法第166条の解釈・運用実例によると「副市町村長」に一般事務職員の職務を取り扱わせる必要が臨時に生じた場合は「事務取扱」を命じることができるとある。
一般的には「一時的な間に合わせ」であるが、法令では「臨時特例法」や「臨時特措法」など「臨時」と名がついているが、長期にわたって適用されている例もある。
副町長については、今年3月をもって(株)あぶクリエイションの社長を退任し、身軽になった分これまで以上に、副町長及び総務課長事務取扱として職務を全うするよう指示を出している。
人口が3000人を切った阿武町では、現在の体制がベターである。
▼上村萌那(かみむらもな)議員
▽町の観光振興に向けた事業者支援について
・事業者が主体となって展開できるよう関係機関と検討しPRを積極的におこなっていく
問:
町の地方創生事業のひとつとして、阿武町の体験型観光事業が動き出した。
観光プログラムの造成や継続のための事業者支援ができないか。
また、食の体験としては、町民によるテストキッチンの積極的な利用も課題となっている。利用目的に合った料金設定も必要ではないか。
町長:
町はこれまでに、観光行政のひとつとして道の駅阿武町を運営する(株)あぶクリエイションを設立し、阿武町観光ナビ協議会や(一社)あぶナビと連携しながら、体験コンテンツや特産品開発をおこなってきた。
観光プログラム運営のアテンド等、人的支援については(一社)あぶナビや集落支援員による支援が可能であると考える。
資金的支援としては、町が用意している「阿武町起業化支援補助金」や「阿武町特産品開発補助金」等を活用していただきたい。
テストキッチンの利用については、利用料は町民センターと比較しても高額であるとは感じていないが、いずれにしても、事業者主体となって展開できるよう、再度検討し、積極的なPRにも努める。
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