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自治体の皆さまへ

まちなかから創造を

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山形県 山形市

▼やまがたクリエイティブシティセンターQ1

株式会社Q1 代表取締役 馬場正尊氏

▽文化創造都市の拠点施設をどういう場所にしようと考えたのでしょうか。
「山形市がユネスコ創造都市ネットワークに認定されたその決め手となったのは、映画はもちろん食文化や音楽やデザインといった創造都市の7分野が全てバランスよくそろっていたことが評価されたから」と佐藤市長はおっしゃっていました。一方で、そんなふうに世界が認めてくれるほどクリエイティブにあふれたまちなのに、あまりにも身近すぎるからか、山形市民は自分たちのまちがクリエイティブであることを意識できていない面もありました。ですから「ここに来れば山形のクリエイティブを体感できる、ここから山形らしいクリエイティブが生み出されていく」ような場所をつくろう、という方向性が生まれました。

▽Q1のコンセプトを教えてください。
ユネスコがうたう「クリエイティブ」とは、単に文化的であることにとどまりません。市民や企業、行政みんなが創造的な活動をすることによって新たな経済を生み出していく。そうした新しい経済を動かすエンジンとして位置付けられているのが「クリエイティブ」なのです。Q1のコンセプト「地域のクリエイティブと地域の産業を暮らしでつなぐ」は、そうした考えに基づいてできました。
このコンセプトに共感しテナントとしてQ1に入ってくださった事業者は、それぞれが自分なりに考えて行動してくれていますし、高付加価値な商品やサービスを提供することを通して創造都市の理念を体現してくれています。
また、イベントスペースを利用してくださっている市民の皆さんも、こちらが想像もしていなかったようなユニークな空間の使い方をされていて「あ、このコンセプトに共感する人たちが集まっているんだなぁ」という印象を受けています。

▽建物のデザインのポイントを教えてください。
ここはもともと山形市立第一小学校の旧校舎でした。築100年近くにもなる建物で、たくさんの人の思い出や記憶が詰まっていますから、建物自体の文脈や空気感をできるだけ残すべきだと思いました。ですので、建物の「素」の状態をそのまま生かしている、というのがデザインのポイントと言えるでしょう。実際にこの校舎で学んだ卒業生の方たちから「Q1に来て、懐かしさを感じた」とおっしゃっていただくことも多いので、当時の面影を残すことができて良かった、と思います。

▽今後、Q1でやってみたいことを教えてください。
これから大切なことは、子どもたちが自分のまちの未来を考えたりデザインしたりする、という経験ではないでしょうか。例えば、市内の小中高生と一緒に山形市の未来をデザインするようなワークショップを開いてみたいですし、Q1のテナントの皆さんが提供している付加価値の高い商品やサービス、デザインに子どもたちにはもっともっと触れてもらいたいです。幼いうちから自然と染み込むようにクリエイティブを体感していること、それ自体がすでに教育だと思います。きっとコパルで育った子どもたちはデザインセンスも自然と良くなっていくはずですよね。ですから、ぜひ、このQ1にもっともっとたくさんの子どもたちに来てもらって「何か」を感じ取ってもらえたらな、と思います。

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