■息切れ
山形市立病院済生館 呼吸器内科 岩渕勝好
日頃の運動不足がたたって、激しい動きをしたときに、息切れがする。時にはあることかと思います。
しかし、普段通り動いているのに息切れが生じる場合には注意が必要です。息切れは体の中に酸素を染み込ませる肺や、染み込んだ酸素を体中に届けるポンプである心臓が弱った場合、空気を出し入れする筋肉が弱ってきた場合などに生じます。中には、体の中に酸素は十分運ばれているにもかかわらず、息切れ感が生じる場合もあります。
さらに、気管支喘息(ぜんそく)などにより、酸素の通り道である喉や気管・気管支が細くなることで酸素の流れが抑えられた場合や、貧血により酸素の運び屋である血液が薄くなる場合にも息切れが生じます。
日常生活において予防できることは、肺を弱める原因であるたばこ(電子たばこも含みます)を避けることです。また、心臓や肺、筋肉の働きを保つために、適度な運動を習慣づけることも望まれます。
息切れにはさまざまな背景がありますので、いつもと違う息切れが生じた場合はかかりつけの医師に相談することをお勧めします。
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