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山形県 山形市

▼「薬剤耐性(AMR)」について
山形市保健所副所長加藤裕一

細菌などの微生物に対して抗菌薬が効かなくなる、あるいは効きにくくなることを「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)」といいます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が有名ですが、それ以外にも数多くの耐性菌が存在します。AMRの怖いところは、まん延することにより本当に抗菌薬が必要な感染症に対する治療が困難になり重症化や死亡リスクが高まることです。雑誌LANCETに掲載された論文によると「このまま何も対策がとられない場合、2050年には全世界でAMR関連の死亡者数は毎年1千万人に上り、がんによる死亡者数を上回る」とのことです。AMR臨床レファレンスセンターによれば、AMRが発生する原因は「ウイルスが原因の風邪に抗菌薬を処方する(処方を希望する)」「処方された抗菌薬を飲んだり飲まなかったりする」など不適切な抗菌薬の使用とのことです。したがってAMRの発生を防ぐには「医療を提供する側」と「受ける側」が協力して取り組む必要があります。
またAMRの多くは人と人の接触で感染を広めていきます。まん延を防止するには手指洗浄・手指消毒などの手指衛生が重要です。
今のところAMRはまん延に至っていませんが、まん延を防止していくためには個々人の取り組みに加えて地域全体で取り組む必要があります。山形市保健所は村山保健所と協力して2023年度より「村山AMR等ネットワーク」を立ち上げ、保健所や管内病院との情報共有の場をつくりAMR対策を行っています。詳しくは市ホームページ「AMR等対策について」に掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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