山形県男女共同参画推進員を務める「あかるさかおる」※さんによる連載コラムです。
※アーティストネーム
■“「ちゃんとしてオバケ」に捕まったら”
子育てをしていると「ちゃんとしなさい!」と毎日何度も口にしている自分がいて、ヒヤッとします。ちゃんと食べて!ちゃんと歯を磨いて!ちゃんと宿題をして!などなど。全国で子どもたちは、家でも学校でも“ちゃんとしてオバケ”に追いかけ回されていることでしょう。
大人になっても相変わらず、男なんだから、母親なんだから、もういい歳なんだから…。ありとあらゆるところに、ちゃんとしてオバケが潜んでいます。それは家族や同僚かもしれないし、近所の方かもしれないし、レストランでたまたま隣に座った人かもしれないし、はたまた自分自身の心の中にも…。油断した途端に出てきて、「ちゃんとしなさい!」と勝手に叱咤激励してくるのです。
そもそも「ちゃんと」って何でしょう?定義が曖昧です。辞書にはこうありました。
1.少しも乱れがなく、よく整っているさま。
2.確実で間違いのないさま。
つまり、「乱れているから整えよう」「間違えているから正しい道に戻そう」と使う言葉です。でも誰から見て乱れていて、誰から見て正しいのでしょう。世間の常識?誰かの価値観?それは本当に、私にとっても正しいの?
何が正解かも、人それぞれ。それに「正しさ=幸せ」とも限りません。ちゃんとしてオバケに捕まったら、深呼吸して、こう呟いてみましょう。「これも、ありかも。」ほら、オバケなんて消えちゃいましたよ。
■このコラムを書いている人
菅原明香(すがわらさやか)(あかるさかおる)
ナリワイALLIANCE(アライアンス)代表
通訳ガイドやアート活動、コミュニティづくりなども行う複業アーティスト。三川町在住、2児の母。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>