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あかるさかおるのスケッチブックNo.8

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山形県三川町

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■“がんばれ日本のメディア”
「マイケルが夕飯を作る間、ケイトがぼくを散歩に連れていくんだ。」一匹の犬が主人公の英語の絵本の一節です。男性のマイケルが炊事をすることがサラッと、当たり前のように表現されています。お!と思って出版年を調べると、1998年。四半世紀も前の作品でした。
日本にも素晴らしい絵本はたくさんありますが、全般的に女性はエプロン姿で買い物や料理、男性は職業が分かる服装で仕事をがんばる存在として描かれることが多いのが気がかりでした。障がいのある人物や性的マイノリティーのキャラクターが出てくることも稀(まれ)です。この傾向は、子ども向けアニメやテレビ番組でもほぼ変わりません。
思えばアメリカにいた頃、少なくともメディアの中には多様性が溢(あふ)れていました。さまざまな人種を起用する配慮が制作側に求められていましたし、障がい者やLGBTQの人たちもごく自然に登場していました。
日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中125位と、世界最低レベルです。自分を取り巻く社会がどんなものかを学ぶ幼少期に、どんな絵本やアニメ、テレビ番組に触れて育つのか、その違いがこの順位に表れているようにも思えてなりません。
子どもたちはまっさらで生まれて、親から、メディアから、教育の場で、世の中の当たり前を教えられていく。だからまずは、育てる私たちの当たり前をアップデートして、次世代に繋(つな)いでいきたいと思います。

▽このコラムを書いている人
菅原明香(すがわらさやか)(あかるさかおる)
ナリワイALLIANCE(アライアンス)代表通訳ガイドやアート活動、コミュニティづくりなども行う複業アーティスト。三川町在住、2児の母。

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