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庄内町の名人×町外の高校生 名人の技術や心意気を取材「聞き書き甲子園」

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山形県庄内町

庄内町の名人×町外の高校生
名人の技術や心意気を取材「聞(き)き書(が)き甲子園(こうしえん)」

全国各地から公募で選ばれた高校生が、地域の名人(長年に渡り林業や伝統工芸などに携わってきた方)に取材を行い、その生い立ちや技術を名人の言葉だけで書き上げる「聞き書き甲子園」。
9月から11月にかけて、本町の6人の名人に町外の高校生が取材を実施。真剣なまなざしで質問する高校生の姿勢に、名人たちは丁寧に対応。2日間の取材が終了したときには、お互いの心の距離もぐっと縮まったようでした。
完成した作品は、聞き書き甲子園事務局で審査され、優秀作品が決定されるとのこと。書き上げた記録は、作品集として書籍にまとめられ、町立図書館などに配置される予定です。

■内藤孝一さん(林業の名人・鉢子)×磯野陽大さん(埼玉県立大宮中央高校1年)
▽名人プロフィール
長年に渡り森林組合に勤め上げ、杉の枝払い、伐採、搬出までの林業の一連の作業を経験してきた。
山に生えている木、草についても詳しい。稲わらを使った簡単な縄ゆい、きのこの原木栽培など幅広いスキルを持ち、元気な山里そうぞう隊のメンバーとして、地域振興にも積極的に協力している。

▽内藤さん
高校生が山と木に興味を持ってくれてとても嬉しい。庄内町の若い方が興味を持つきっかけになってくれれば。

▽磯野さん
内藤さんの人生を知れて貴重な体験になりました。立谷沢の景色、空気は最高でした。

■日下部市雄さん(槇島ほうきの名人・槇島)×五十嵐友菜さん(東海大山形高校2年)
▽名人プロフィール
槇島地域に200年前から伝わるほうき作りの伝承者。ほうき作りは、生活様式の変化により減少していたが、応援者が現れたことをきっかけに、本格的に取り組み始めた。
伝統をそのまま継承するのではなく、デザイン性を持たせるなど、時代に合わせることで伝統文化が継承されていくように工夫している。

▽日下部さん
高校生から槇島ほうきを勉強してもらうことを通じて、後継者育成の参考になりました。

▽五十嵐さん
日下部さんは、ほうき以外のことも詳しく、これからの人生で参考になることをたくさん聞くことができました。

■松浦和雄さん(原木きのこの名人・新田)×舩山美穏さん(米沢工業高校2年)
▽名人プロフィール
立谷沢地域の山や自然に詳しく、元気な山里そうぞう隊のリーダー的存在。
きのこの原木栽培は、40年以上前から取り組んでおり、ほだ木に使う木の種類、乾燥の期間なども熟知している。きのこの種類によって異なる特性についても、経験に裏打ちされた知識を持つ。

▽松浦さん
菌打ちの時期とずれてしまい残念ですが、遠くから若い高校生に庄内町まで足を運んでもらい、きのこの栽培を学んでもらえてよかったです。

▽舩山さん
高校が環境コースで、森や山に興味がありました。森のことを詳しく知れたし、名人と出会えてよかったです。

■長南光枝さん(伝統料理の名人・木ノ沢)×大槻歩夢さん(福島南高校2年)
▽名人プロフィール
立谷沢地域の住民有志からなる「タチラボレディース」のリーダー的存在。庄内地域や東北の伝統的な料理「しそ巻」の継承に力を入れている。しそ巻以上にも「ささ巻」作りの継承や、しその実を使ったつくだ煮(みーばぁのしその実つくだ煮)を開発するなど、地元食材を使った商品開発にも取り組んでいる。

▽長南さん
はじめは私で良いのかと思いましたが、料理に対する意気込み眩しい高校生に出会えて、今後も楽しく料理を続けていきたいと思いました。

▽大槻さん
興味のある料理について、名人から色々な知らなかったことを聞くことができ、とても学びになりました。

■阿部耕祐さん(亀ノ尾作りの名人・小出新田)×稲見華さん(日本大学東北高校2年)
▽名人プロフィール
「亀ノ尾」は、阿部さんの高祖父である阿部亀治氏が品種改良の末に生み出した品種。冷害に強く食味にも優れ、全国で広く栽培された。つや姫やコシヒカリのルーツとなった米で、酒米としても利用されている。
阿部さんは、栽培方法に工夫を講じながら、高祖父が生み出した品種を発祥の地で現在も伝え続けている。

▽阿部さん
細かい内容を聞かれることで自分の考えを整理できた。人生の選択肢がたくさんあるので自分で見極め精一杯頑張ってほしい

▽稲見さん
母の実家が農家で米どころ庄内に来てみたかった。農業は大変な仕事だと学び新たな発見がありました。

■佐藤恵美さん(庄内刺し子の名人・常万)×小玉眞碧さん(仙台白百合学園高校1年)
▽名人プロフィール
庄内地域の伝統民芸である「庄内刺し子」の制作・継承活動を行って、刺し子の制作グループを主宰。
100種類以上の模様がある庄内の刺し子を使いこなし、大変人気がある。
昔からの技術をそのまま伝えるだけではなく、時代に合わせたものを制作することで、これからも継承されていくための工夫も講じている。

▽佐藤さん
刺し子は古いようで新しい。時間をかけ完成したときの達成感は格別。ぜひ若い方にも挑戦してほしいです。

▽小玉さん
針と糸だけで素敵な模様になり、衝撃を受けました。佐藤さんが「自分にとって面白い」を基準に人生の選択をしていることに共感しました。

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