昨年の元日、石川県能登地方を中心に発生した大規模な地震。正月早々に目を覆いたくなるようなニュースが飛び込んできました。あの日、庄内町は震度3を計測し、庄内では津波警報が発令された地域もありました。
庄内平野に位置する「庄内平野東縁断層帯」が活動した場合、その地震の規模はマグニチュード7.5程度になると推定されています。新しい年も自分の命を守る行動ができるよう、家族が集まるこの時期に防災について再確認しましょう。
※本紙写真は能登半島地震の被害の様子です。
■自助・共助で、安心・安全を
災害が発生した際は「自らの生命は自ら守る」という自助の考え方と「自分たちの町は自分たちで守る」という共助の考え方が欠かせません。
■防災・減災における自助・共助・公助
災害が発生したときは「自助」「共助」「公助」をうまく機能させることが重要となります。
しかし、自治体の職員も被災する可能性があるため、救助・援助活動に時間がかかるなど、行政機能が大きく低下することが想定されます。災害被災直後の「公助」には限界があります。そのため、被害を最小限に抑えるには「自助」「共助」が重要となります。
■助けられる人から助ける人へ
自分の身を守るのは自助の力です。自分ひとりでは対応できないときに頼ることができるのは共助です。それと同時に、自分が可能ならば共助に参加する意識が前提となります。そして、共助と公助の連携により状況を安定させ、復旧・復興へと向かいます。公助の支援が円滑に私たち一人ひとりに届くためには、共助との連携が不可欠です。被害を最小限に抑え、早期に復旧・復興するために、それぞれの連携はとても重要になります。
■一人ひとりがもしもに備えて
一人ひとりがハザードマップなどを活用し、各種災害時に適した安全な場所を把握しておきましょう。家庭内に防災グッズ、食料、薬などを備蓄しておくことも大切です。日頃から家具の転倒対策を実践するなど、防災の意識を高め、知識を身につけ、もしものときに備えて行動しましょう。
■地域の関係を深め防災力を高めよう
災害発生時だけではなく、日頃から地域のさまざまな行事や防災活動に積極的に参加しましょう。隣近所にどういう人が住んでいるのか、もしもの時に一人で避難ができず支援が必要な人はいないかなど、いざという時に支え合える地域社会をつくることが大切です。
■自主防災組織に参加しましょう
自主防災組織とは、災害から地域を守るために地域住民でつくり、自主的に防災活動を行う組織です。庄内町では、全115集落で結成されています。各地区で定期的に防災訓練や備蓄資機材の整備を行い、住民の防災意識や地域防災力の向上を図っています。
自助:自分や家族の命は自分たちで守る
共助:地域や近隣住民が互いに協力し助け合う
公助:行政や消防機関による救助、援助など
町では、防災意識高揚のため、防災士資格の取得を奨励しています。今年度講習を受講された方をご紹介します。
■防災士に聞く 藤井清司さん(杉浦)
私が防災士の講習を受講したのは、集落役員として自主防災活動の充実を図りたいという思いからです。防災士の資格取得が大事なのではなく、取得後に何をするかが重要なのだという講師の言葉が印象に残りました。「助けられる人」ではなく「助ける人」を目指すために、まず、自宅の防災対策の再点検から始めたいと思います。自主防災会では、防災意識の啓発活動を行い、非常時持ち出し袋と家庭内の備蓄や、避難時に簡単に電気ブレーカーを落とせる引っかけ棒などの準備を推進していきます。今後は、避難所の開設運営訓練にも積極的に携わっていきたいです。
▽東日本大震災
釡石市の児童が日ごろの防災教育や防災訓練での学びを生かして、発災後、素早く高齢の家族や近隣住民に避難を促し、支援したことが、多くの命を救うことにつながりました。
▽阪神・淡路大震災
倒壊家屋の下から救出された人の約80%が、家族や近隣住民に救出された方々です。
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