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【特集】ふるさとを知ろう、学ぼう(1)

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山形県新庄市

「将来は生まれ育った新庄で暮らしたい」
「進学や就職で一度は新庄を離れても、いつかは戻ってきたい」
「新庄に戻るつもりはなかったけど、都会の生活も疲れたな・・・」
「地元」に寄せる思いはさまざまありますが、新庄で育つ子どもたちが将来を考えるときに、「地元で働き、地元で暮らす」という選択肢を持ってもらいたい。
今号では、そんな「地元定着・地元回帰」に向けた取り組みを紹介します。

■地元定着・回帰への取り組み 出張職業体験会「Shin-job(シンジョブ)」
▽「地元で働く」という選択肢
若者の都市部への流出による人口減少や、少子化への対策として本市が力を入れているのが「地元就職」や「地元回帰」に向けた取り組みです。どちらも生まれ育った土地で暮らす選択ですが、その選択をしてもらうためには、地元にある仕事をよく知り、「地元でどんな仕事をして、どんな生活を送るか」を十分に考えてもらう必要があります。
将来の進路選択を迫られる時期よりも前から地元の仕事について知る機会がなければ、「地元就職」や「地元回帰」という選択肢は生まれません。「都会に出る前に、地元にある仕事の魅力を知ってほしい」そんな考えから始まったのが、中学生向け出張職業体験会「Shin-job」です。

▽「Shin-job」とは?
「Shin-job」は、市内の各中学校・義務教育学校に、十数社の体験ブースが集まり、生徒たちにさまざまな仕事を体験してもらう事業です。平成28年度にスタートしてから令和5年までに、約2800人の生徒が参加しています。現在、Shin-jobの協力企業(団体)には、製造業・建設業・サービス業などのさまざまな業界から38の事業所が登録しています。業種や立場は違っても「子どもたちの将来のために」という同じ思いで協力いただいています。
Shin-jobでの職業体験は短時間であるため、体験できる内容は限られています。しかし、多種多様な業種が集まるため、今まで自分が知らなかった仕事を知るきっかけになるなど、新たな発見につながります。企業側も、生徒たちに興味を持ってもらい、将来の人材確保につなげようと、創意工夫を凝らした体験内容を用意しています。例えば次のような体験ができます。
・スポーツトレーナー体験
・仮想空間アバター製作体験
・ヘアアレンジ体験
・キッチンカーに乗って接客体験
・指紋採取などの鑑識体験
・調剤、薬包紙包体験
他にもさまざまな体験があり、どれも日常では味わえないものばかりです。Shinjobでは、生徒をグループに割り振り、グループごとに体験をしてもらいますが、フリータイムの中では他の企業の体験も自由に行うことができます。こうした体験を通して、今まで関心がなかった職種や、初めて目にする仕事を子どもたちに知ってもらい、将来の選択肢を増やしてもらう取り組みとして実施しています。

▽体験した感想を聞きました!
〔生徒の声〕
・大きい重機を自分の手で、思った通りに操縦できたのがとても楽しかった。
・建設に関係する仕事には、建設する物を設計する仕事があることを初めて知った。
・チェーンソーや斧を使って木を切ることは初めてだったので難しかったが、楽しかった。
・人生設計ゲームを体験し、親の大変さや、ものすごいお金が世の中では動いていることにびっくりした。
・整体体験は、自分の姿勢がすぐ直るところや、悩みにすぐに答えて実践してくれて、とても面白かった。
〔保護者の声〕
・子どもが意外な仕事に興味を持っていたことを知るきっかけになりました。
・子どもの体験を家に帰ってから聞いて、地元にどんな就職先があるのか、自分たちも勉強になりました。
・いろいろな経験を通して、将来の選択に生かしてほしいです。

▽協力企業(団体)に聞きました!
・最上青年林業協力会
林業という仕事は、仕事場が山の中や製材所であるため、普段目にすることは少ないと思います。そのため、Shin-jobを活用して、より多くの子どもたちに知ってもらうきっかけになればいいなと思っています。
木材や森林といった持続可能な資源を相手にしているので、企業の利益追求だけではない仕事の魅力があります。そういった魅力も知ってもらい、子どもたちの将来の選択肢を広げるきっかけになればいいですね。
・双葉建設コンサルタント
Shin-jobの初期から継続して参加しています。子どもたちに、測量や建設コンサルタントがどういう仕事なのか知ってもらいたいという思いが原動力です。
「建設」と聞くと、現場仕事や肉体労働を思い浮かべるかもしれませんが、ドローンの導入などのデジタル化が急速に進んでいる業界でもあります。昔と比べて働き方がどのように変わってきているのか、という視点も子どもたちには知ってもらいたいですね。
・建設業協会最上支部
Shin-jobに参加することで、建設業界全体のイメージアップにつなげたいという思いがあります。
私たちは営利団体ではありますが、道路や橋の建設・補修、河川の護岸工事など、多くの公共工事にも携わっています。「営利団体でありながら、実は公共性の高い業界なんだ」という建設業のプライドを持って、子どもたちに仕事を紹介したいですね。

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