健康に過ごすためには、自分の健康は自分で守ることを意識し、積極的に健康管理をしていくことが大切です。
そのためには、病気や薬についての正しい知識を身につけることが必要です。薬に関わる新たな制度も含めて、薬について今一度考えてみましょう。
■正しく使おう!「セルフメディケーション」
セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること(WHO定義)です。ただし、症状が悪化したり、長引く場合は必ず医師に相談しましょう。また、薬を常飲している場合、思わぬ副作用が出ることもあります。その際は、すぐに薬剤師に相談しましょう。
■気をつけよう!「ポリファーマシー」
ポリファーマシーとは、複数の薬を同時に服用したことにより、身体に不調などが起きている状態を指します。複数の副作用が重なり、新たな副作用を起こしたり、体内で薬の相互作用が起きることで、効果が弱まったり、逆に強まったりするリスクがあります。また、薬の種類が増えることで、飲み忘れや誤飲のリスクも高まります。定期的に医師や薬剤師に相談し、飲む薬の種類や数を見直しましょう。
■お薬手帳は1冊に!
医師や薬剤師に相談する際は、必ずお薬手帳を持参しましょう。一冊にまとまっていると、重複処方の防止や飲み合わせの確認ができ、緊急時には自分が服用している薬が分かりやすいため、適切な医療を受けることができます。また、マイナンバーカードで受診すると、過去に処方された薬の情報や、受診履歴などが医療機関でも把握できます。適正な受診や処方せんを受けるために有効活用しましょう。
■Check!健康保険証の仕組みが変わります
病院で診察を受けたり、薬の処方を受ける時などに欠かせない健康保険証は、令和6年12月2日以降、マイナ保険証での受診を基本とする仕組みに移行します。マイナ保険証とは、マイナンバーカードと健康保険証を紐づけ設定したものです。ただし、猶予期間があり、現在お持ちの健康保険証については最長で令和7年12月1日まで、有効期限が記載されている場合はその期限まで使用することができます。それ以降は、マイナ保険証ではない方については「資格確認書」が発行され、これまでの健康保険証同様に医療機関などに提示することで受診可能です。資格確認書は本人の申請によらず、保険者より交付されます。就職・退職などにより健康保険が変わる場合は、これまで通り保険証や各種医療証について、変更手続きが必要となります。
・今後の国民健康被保険者証の取り扱い
※詳細は本紙をご参照ください。
マイナ保険証について、詳しくは厚生労働省ホームページへ
■Check!薬の専門家聞きました!ジェネリック医薬品って何?
ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造される医薬品のことで「後発医薬品」とも呼ばれます。新薬より価格を抑えながらも同量の有効成分を含み、同等の効き目と安全性が厚生労働省から認可されています。令和6年10月から、ジェネリック医薬品があるにもかかわらず、新薬の処方を希望する場合は、特別の料金が加算されるようになりました。ただし、医療上の必要性がある場合は加算されません。
詳しくは厚生労働省ホームページへ
・令和6年10月からの医薬品の自己負担の仕組み
※「令和6年10月からの医薬品の自己負担の新たな仕組み」(厚生労働省)を加工して作成
◇Interview
新薬よりも低価格で利用できるジェネリック医薬品。分からないことが多いと、利用することに抵抗がありませんか?
そこで今回は、新庄最上薬剤師会の星会長に、ジェネリック医薬品を選ぶ際のポイントをインタビューしました。
新庄最上薬剤師会 会長 星 利佳さん
Q 新薬よりもジェネリック医薬品を選んだ方が良いのですか?
―安価な薬と聞くと安全性について不安になる方もいるかもしれません。しかし、どこの薬局も薬剤師が薬の品質や安全性を見極め、信頼性の高いメーカーから仕入れているのでご安心ください。選ぶかどうかは、お医者さんやかかりつけ薬剤師と相談し、納得した上で決めるのが良いと思います。
Q 処方する際に患者さんに向けてサポートしていることはありますか?
―お渡しする薬の有効成分や特徴などを説明し、患者さんに納得いただいたうえで処方しています。飲みやすさ・味・形・飲むタイミングなど、薬によっては変更することもできますので、要望がありましたらぜひおっしゃってください。
私自身も一度飲んでみて、味や飲みやすさなどを体感した上で、患者さんに合った薬を処方させていただいています。
Q 患者さんからはどのような相談事例がありますか?
―長年飲んでいる薬から変更したら、「あまり効かなくなった」、「薬が変わることに抵抗を感じる」と相談されたことがあります。成分・効能は同じでも※プラシーボ効果もありますので、患者さんの思いも考慮し、元の薬に戻したということがありました。やはり、納得した上で服用していただくことが大切ですので、無理に薬を変更する必要はないと思います。
また、オーソライズドジェネリック(AG)という選択肢もあります。これは、新薬メーカーから権利の許諾を受けて新薬と同じ原料・製造法で作られ、かつ価格も抑えられた薬です。薬を変えたくないという方にはこちらをお勧めします。
※プラシーボ効果:思い込みにより自身に影響を及ぼすこと
Q 患者さんへのアドバイスはありますか?
―かかりつけの薬剤師に相談することが、とても大切なことだと思います。薬局は単に薬を提供するだけではありません。患者さんとのコミュニケーションの中で、健康についてより良い提案ができることもあります。薬以外のことでも、まずはご相談ください。
詳しくは、健康課国保医療係へ。
【電話】29‒5792
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