―町全体が博物館 朝日町エコミュージアム―
■第10回 不動尊(石須部(こくすべ))
所在地:太郎石田淵(ふち)から石須部橋を渡って、石須部の集落に入る手前の東側、朝日川左岸の崖の上に立つ
創建の年代は分かりませんが、境内にある石灯篭の銘(めい)に「文化十二年(1815)…石須部村施主 志藤忠治…」と刻まれており、昔から村の鎮守様として祀られていたものと思われます。
内陣には御本尊の不動明王が祀られており、その両側には不動明王が煩悩(ぼんのう)を切り捨てる象徴とされる剣が、町内外の多くの信者から奉納されています。また、本堂の両側には明治2年(1869)と昭和2年(1927)に前句を連記した扁額(へんがく)が奉納されており、地域の文化をうかがい知ることができます。
昭和57年(1982)に屋根替えをした際の寄付簿の板札もあります。
◇ウサヒのゆるっと解説
御堂の後ろに滝があるけれど、修験道(しゅげんどう)の修行の一つに「滝行(たきぎょう)」があって、そのときに「河水に入って念ずれば不動明王の功徳(くどく)を得られる」という真言(しんごん)を唱えることが多いから、滝のそばに不動尊を祀るんだって。石須部がかつて朝日修験の通路であったことと関係がうかがわれているんだよ。
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