―町全体が博物館 朝日町エコミュージアム―
■第3回 二渡(にわたり)観音(大谷第五)
所在地:大谷地区の中央部、大谷往来館の東側
御堂内には、明治3年に二渡神社神主白田長三郎が書いた縁起書の写があり「白田内記家の先祖菅原道安が、月山詣での途中に白髪の老人に会い『私は二渡の神なり、郷里に帰り二渡の社を建て信心すれば、必ずや村を守るであろう』というお告げをいただき、社を建てて自ら別当となった」とあり、これが応永8年(1401年)と記されています。
また、御堂内には総欅(けやき)造りの本殿があり、中には聖観音(しょうかんのん)の立像がまつられています。明治元年には神仏分離令により二渡の神は村社白山神社に合祀(ごうし)され、聖観音が残り、五百川三十三観音の第16番札所になっています。
◇ウサヒのゆるっと解説
二渡の神は、奈良・平安時代に日本から中国の唐に使節を送った遣唐使が海を渡る時の安全を祈った二渡大明神だとされているんだよ。「荷渡(にわたし)」とも通じるところがあって、最上川の舟運が盛んだった頃に守り神として信仰されていたんだとか。町内にもここのほかに栗木沢・能中の二渡神社、宇津野の仁和足(にわたり)神社などが最上川の近くにあるよ。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>