―町全体が博物館 朝日町エコミュージアム―
■第19回 千手観音堂(立木)
所在地:旧立木小学校の西、道路の南側にある
創建や由来(ゆらい)に関することはよく分かりませんが、境内にある享保(きょうほう)7年(1722)建立の青面金剛碑(せいめんこんごうひ)から、江戸時代の中頃には祀(まつ)られていたものと思われます。御堂内の厨子(ずし)には、寄木造りの観音立像と金銅製の千手観音像があり、木像は古いものと思われますが、千手観音像は掲(かか)げてある「観音尊像寄附人名」の板札から、大正10年(1921)に安置されたことが分かります。御堂正面入口の柱には、観音開きの扉(とびら)があった跡があり、門前には立派な鳥居(とりい)もあったと伝えられています。五百川三十三観音霊場の第9番札所として、参拝者が訪れています。
○ウサヒのゆるっと解説
観音信仰は飛鳥(あすか)時代に中国から伝来したもので、奈良時代は現世利益(げんせりやく)が中心でしたが、平安時代からは来世(らいせ)の利益もあるとされているよ。15世紀頃から観音霊場三十三所の巡礼も始まり、江戸時代には全国に多くの三十三所がつくられ、民衆信仰の代表的なものになっているんだよ。
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