■やさしい笑顔と思いやり
~前向きな明るさが生き方を変える~
「第36回『星空の街・あおぞらの街』全国大会」2日目。その日は未明から雨が降り続け、明け方頃には雷鳴が響き渡り、とても外での行事ができる状況にはないと思われました。大会御臨席のため御来町いただきました高円宮妃殿下から、大沼の浮島を御覧いただき、合わせてブナの木の植樹を行っていただく予定でありました。悪天候の中ではありましたが、予定通り行事を行うとの連絡が入り、現地担当の課長はじめ職員たちがずぶ濡れになりながら、会場設営に当たっておりました。その姿を御覧なされた妃殿下から「大変な作業をよく対応して下さいました」と労(ねぎら)いと御礼のお言葉を頂戴いたしました。
大沼浮嶋稲荷神社最上宮司からの説明をお聞きいただきながら、湖面を浮遊する島々に目を向けられ「あら、動いていますね」と少し驚かれ感嘆の言葉をつぶやかれました。そしてしばらく雨模様の湖面を見つめられ、「水面に雨粒が落ちる光景は、風情があり、心を癒してくれますね」と幽玄な水墨画にも似た風景に、とても感動なされた様子でありました。雨の中の情景に少しばかり気落ちしていた私の目にも「まさしくその通りだ」と、大いに前向きな元気をいただいた思いがしました。
たとえ雨降りの中であろうと、その中に癒しと美しさを見出すことができる。それはたとえどんな困難の中にあっても、私たちに勇気と元気を与えてくれるものがある、という前向きな生き方を、妃殿下の言葉から教えていただいた思いです。
この度の御来町最後の訪問地、道の駅あさひまち「りんごの森」の視察を終え、御車にご案内をしようとしたその時、雨の中、入口の外で小旗を振りながら待っていた町民の方々の前に歩み寄り、笑顔を絶やさず優しくお声掛けなさる御姿を拝見し、妃殿下の優しい思いやりの気持ちが、ひしひしと伝わって来るのを感じることができました。
朝日町長 鈴木浩幸
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