■学校×地域
芸能学習の成果発表
これまで、3年生を中心に一部の生徒のみが参加していた芸文祭。合同開催となった今回は、全校生徒が参加して合唱を発表したほか、授業で製作した作品も展示。中でも特に注目を集めたのは2・3年生による4分野の地域芸能発表でした。
◆約10年続く地域芸能の学習
地域の方々を講師に迎えたさまざまな授業が行われている中、約10年前から続いているのは、3年生を対象とした地域芸能を学ぶ授業。学校からの提案を受けたことをきっかけに始まったもので、生徒たちは毎年9月頃から学習に取り組んでいます。
「この体験を胸に、各地区のお祭りを盛り上げてほしい」と話すのは、授業が始まった当時から豊龍祭囃子を教えている阿部勝男さん。授業は文化祭に限らず、地域の伝統を次世代へ受け継ぐ上で、欠かせないものとなっています。
◆成功を収めた芸文祭での発表
これまで授業で学んできた地域芸能は、民話劇・太鼓・お囃子の3分野。学習の成果は朝日中で開催される文化祭にて生徒や保護者の前で発表されてきました。
文化祭が合同開催となった今年は会場を創遊館に変えて発表。学習には2年生が加わったほか、学ぶ地域芸能は日本舞踊を加わえた4分野となりました。学校での文化祭を経験してきた3年生は下のインタビューにもあるように、会場や規模が変わり緊張したようですが、当日は満席の会場で堂々と披露し成功を収めました。来場者からは「子どもたちが頑張っている姿を見ることができた」「例年よりもにぎやかだった」などの称賛とともに「来年もぜひ同じような形で開催してほしい」と期待の声が寄せられました。
○民話劇
一番感じたのは、楽しい気持ち
リーダー:石塚凛也さん
練習では、普段使い慣れていない方言を話せるようになるまでが大変でした。やっと話せたと思ってもイントネーションが違うことがあり、講師の方々にはその都度教えていただきました。同時に、演じることを通じて方言の良さを感じました。
そして本番では、緊張を感じることがなく、自分で方言を使ったアドリブも言えるようになり、楽しく演じることができました。練習を何度も重ねたことで仲間との団結力が深まったように感じています。
これまでよりも人数が増えたことに対し、会員たちの間では「ちゃんとまとまるだろうか…」と不安の声がありました。一方で生徒たちは積極的に練習に取り組み、その不安とは裏腹に、日々実力をつけ当日は自分たちから進んで方言を生かしたアドリブまで入れていました。のびのびと演じている姿を見て改めてすごいなと思います。
語りの会 つむぎ 鈴木正子さん
○お囃子
演奏とともに感じた責任感
リーダー:冨樫真琴さん
自分が住む地域のお祭りにはお囃子がなく演奏は今回が初めてで、指の使い方や音の鳴らし方を覚えることが大変でした。講師の方々からは、演奏の方法についてアドバイスをいただいたほか、本番で歩く会場内のコースの調整もしていただきました。
練習を重ね、リーダーをやらせてもらうことになったこの学習では、継続することと責任感をもつことの大変さ、大切さも学びました。これからさまざまなことを経験する中で、この学びを大切にしたいです。
授業の中での練習にも一生懸命に取り組んでいたほか、笛を持ち帰って練習しようとする姿勢に感心しました。最初は音を出すことで手一杯だったのに、多くの生徒がより技術が求められる高音での演奏をこなし、練習の成果も感じられましたね。また、練習の合間に話した町や祭りの歴史のことも興味深く聞いている様子から、伝統行事を大切にしてくれていることが伝わりとてもうれしかったです。
阿部勝男さん
○日本舞踊
踊って学んだ地域の伝統
リーダー:渡辺天照さん
小学生のときにも踊ったことがあり、振り付けはすぐに覚えることができましたが、声を出しながら動きを合わせることは難しかったです。最後まで丁寧に教えてくれた講師の方々には感謝しています。
朝日音頭は、伝統的な音頭でありながらも若い世代にあまりなじみがないため、自分たちで広く伝えることができて良かったです。今後、後輩たちもこの学習に取り組むと思いますが、そのときは地域文化の魅力を学んで、大切にしてほしいです。
生徒の皆さんからの意欲を強く感じ、練習にも本番にも一生懸命取り組んでくれましたね。披露する踊りは、なるべく生徒の皆さんからの希望に沿って決めました。本番ではしっかりと掛け声をあげて、会場を盛り上げてくれました。生徒たちの吸収力もエネルギーも、改めてすごいなと感じています。来年もさらに難しく、新しいことに一緒に挑戦してみたいですね。
朝日柳香会 小野美代子さん
○太鼓
16人で最高の演奏ができた
リーダー:清野美咲さん
中学校で開催した文化祭よりも規模が大きく、会場には家族だけでなく一般の方も来場されたのでとても緊張しました。
太鼓は普段触れることがないため、今回の学習は新鮮に感じました。素早くたたく部分が特に難しく、何回も繰り返したり、講師の方々に一人ひとりアドバイスを聞きに行ったりして練習を重ね、16人で最高のパフォーマンスを披露できました。お忙しい中、毎週来てくださった講師の皆さんには大変お世話になりました。
今年の生徒たちは全員が経験者で「太鼓が好きだから」と希望してくれたことを知ってうれしく思います。皆さんには町制施行70周年記念式典でも披露してもらいましたが、いずれも気合がこもった、活気あふれる素晴らしい演奏でしたね。また、私たちの演奏が終わると、「音が違った」「とてもよかった」と感想を言ってくれたときは本当にうれしかったです。
送橋神明こぶし太鼓 清野むつみさん
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