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特集 有害鳥獣から町をどう守る?(2)

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山形県朝日町

■〔実施隊員に聞く〕有害鳥獣捕獲の今
朝日町の実施隊は、具体的にどのように活動しているのでしょうか。当町猟友会の会長を務め、発足当初から実施隊員として活動している齋藤義幸さんにお聞きしました。

○狩猟を始める理由の昔と今の違い
約30年前は鳥獣による被害はあまりなく、“趣味で楽しむため”に狩猟を始める人がほとんどでした。それが近年では、クマやイノシシなどが急増したこともあり“農作物への被害防止のため”に狩猟免許を取る人の割合が多くなっています。被害の相談も毎年増えていますね。
一方で猟師は激減。約30年前、銃猟に取り組む猟友会員は60人程いましたが、現在は20人にも満たないほどです。

○捕獲にかかる労力
さまざまな捕獲方法がありますが、いずれも結構な労力が必要となります。特に箱わなと呼ばれる、いわゆる「おり」は重く大きいため設置が大変。土に埋めて仕掛けるくくりわなは、仕上げに覆う土の量によって作動してしまい、やり直すこともあります。わなを設置したら、毎日見回りに行かなければなりません。

○感謝と成長をやりがいに
実施隊の活動は趣味ではなく、農林業の被害削減や安全な暮らしのために取り組んでおり責任感が求められます。猟銃の場合は現場に行くほか、最低でも年に1回は射撃場に行き練習し、事故防止や技術向上に努めています。
練習の成果を実感したときや、苦労して仕掛けたわなで鳥獣が捕獲できたときは大きな達成感があります。そして何よりも、活動の際にいただく感謝の言葉が一番のやりがいですね。

○さらなる被害削減に向けて
捕獲するにあたってのルールは、数多く複雑です。これからもルール・マナーを守り、事故なく続けていければと思います。クマやイノシシに限らず、シカやサルの目撃情報もありますから、生態や捕獲などについてさらに学び、被害削減につなげていきたいです。
また、多くの若い人たちに狩猟に挑戦してほしいと思います。捕獲は、免許を取得してすぐにできるものではありません。ベテランの猟師に教わりながら経験を重ね、狩猟について知ってくれたらうれしいです。

■暮らしを守るために
りんごをはじめ多様な農産物が収穫できる朝日町。しかし近年は「木に実ったものほとんど全部が食べられた」「コンテナ1つ分も収穫できなかった」などとその被害は深刻化しています。
被害を受けた際はまず役場農林振興課にご連絡ください。また、狩猟に関する補助制度(左記参照)もありますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

野菜くずなどを畑の周りに放置していないかな?
鳥獣にとってはごちそうだから、放置しておくとおびき寄せる原因になってしまうんだ。
持ち帰ったり、土に埋めたりして処理しよう。
手入れされていない柿などの果樹も同じだよ。
まずはできることから始めてみよう。

■有害鳥獣対策活動をサポートする集落支援員に、白田隆美さんが着任
9月2日、町は白田隆美さん(大谷第五)を集落支援員として委嘱しました。白田さんは今後、有害鳥獣対策に向けた活動をサポートする役割を担います。

○白田さんより一言
私の畑もイノシシから被害を受け、周りの人々も同様の被害に悩まされています。また、今後、農作物にとどまらず人的被害を受ける可能性も十分にあります。まずは私自身ができることを増やし、少しでも被害が減り安心して過ごせるよう頑張ります。

■狩猟に挑戦してみませんか?
狩猟ができるようになるまでは、許可を取ったり用具をそろえたりする必要があります。町で実施している主な補助事業は以下のとおりです。これらのほかにもさまざまな補助事業がありますので、詳しくはお問い合わせください。

○免許を取るとき
各種免許の取得にかかった経費の2分の1を補助

○用具をそろえるとき
・銃所持許可を受ける際にかかった経費の2分の1を補助
・猟銃・ガンロッカーの購入にかかった経費の3分の1を補助 ※上限10万円

問合せ先:農林振興課 事業係
【電話】67-2114

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