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自治体の皆さまへ

町長と語ろう 新春特別編(4)

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山形県朝日町

■Part.6 海外に目を向けたアプローチ
インバウンド推進員と鈴木浩幸町長

◆課題に感じる交通手段
陳:着任してから半年が経ちましたが、まだまだ分からないことはたくさんあります。まずは1年間、お客様に町を案内しながらニーズを聞き取り、それに応えられる面白いことを考えていきたいです。
現時点で課題に感じていることは、町に来る交通手段が少ないことですね。海外から来られる方はバスを利用するツアー客がほとんどで、自身で車を運転したり、タクシーを利用したりする方はめったにいません。特に若い世代はSNSで町に興味を持ってくれるのですが、高齢者世代よりも金銭的に余裕がなく、交通手段にはあまりお金をかけたくないと考える傾向にあります。そのため「行きたくても行けない」と感じられてしまっています。
町長:二次交通利用への補助制度もありますが、一般町民向けであり、なかなか周知できていないのが現状ですね。また、便利な交通手段を提供すると同時に、町内各事業所への支援にもつながる仕組みが必要だと考えています。以前同様の提案が出されたのですが、コロナによる活動自粛でなくなってしまったのでぜひ改めて進めていきたいですね。

◆若い世代を中心としたアプローチ
佐藤:お客様を案内していく中で、陳さん自身はどの世代への働きかけがより重要だと思いますか。
陳:町を訪れるお客様は若い世代の方が多いので、まずはその方々へのアプローチが必要に感じます。そのために現在は、便利でスムーズな予約ができればと考えています。最近の旅行はアプリや公式ホームページでの予約が主流となっており、電話やメールでの予約が少なくなっています。ツアーよりも個人での旅行を好むことを踏まえると、インバウンド誘客を進めるうえで必要になると思います。
一方で、町のPRについては現在悩みながら進めています。多くの方に興味をもってもらいたいのですが、世代によってニーズが極端に違うため同じ案内ではきっと町の魅力は十分伝わらないはず。引き続き町のことを学びながら、より効果的な案内を考えていきたいです。

○インバウンド推進員
主な任務:インバウンド受け入れに関する業務や、国内外への情報発信など

陳昱睿 隊員
着任年月:令和6年5月
これまでの主な取組み:
・インバウンド客の対応
・台湾での町PR など

■Part.7 部活動と地域の未来を考える
地域スポーツ・文化活動推進員と鈴木浩幸町長

◆充実した学校と地域の活動に向けて
町長:部活動の地域移行や町のスポーツ・芸術文化活動の仕組みづくりに取り組むうえで、どのような仕組みだと充実した活動になると思いますか。
間地:まず部活動の休日の地域移行が求められているので、今の部活動で休日の活動が継続できるよう、地域との連携や展開の支援が最優先だと考えています。同時に、公民館事業などを活用し、町民の皆さんも楽しめるスポーツや芸術文化活動の機会創出に取り組みます。現在、部活動は選択肢も多くはありません。その中で、生徒たちに「楽しそう」「入ってみたい」と思ってもらえる地域の活動をつくらなければなりません。
ただ楽しいだけでは長期的な求心力につながりませんので、無理なく楽しめて本質的に思い出に残り、かつ学びにつながる内容を目指します。
町長:部活動への任意加入が進む中、生徒自身が選択した活動でのやりがいに対する働きかけは、充実した学生生活において大切なことですね。

◆多くの人が関わる仕組みづくりを
間地:町のスポーツ・芸術文化活動を、関係・交流人口や若者の居場所づくりにつなげていくことも考えていきたいです。例えば、部活動や地域でのスポーツ・芸術文化活動を進めるうえで、挙げられる課題のひとつである“指導者の確保”。それに対して「半農半指導者」という考えもひとつの解決策だと考えています。都心で専門分野を学んだ方などに町へ来ていただき、日中は農業、夕方は部活動の指導を行ってもらう形です。農業の担い手と指導者探しの課題が解決します。
町長:農業の担い手不足は町の人口減少とともに進む課題。同じく部活動の指導者や地域活動の担い手も減少しています。画期的な考えですね。
間地:また、若い世代の企画やアイデアを後押しし、活躍できる場を地域の活動として設けていけたら。その活動も楽しければ多くの方が参加してくれると思いますし、中学生に限らずに子どもたちの思い出づくりや産業の活性化、子どもたちの町への愛着心などにも働きかけ、それが関係・交流人口も含めて人口の維持・増加につながればと思います。
町長:なるほど。町全体のにぎわい創出にもつながりますし、大きな波及効果も得られますね。
間地:中学生も含め、町の皆さんの健康や充実した生活を送れるような楽しい活動を考えて、地域の活性化に貢献したいと思います。

○地域スポーツ・文化活動推進員
主な任務:部活動の地域移行、スポーツ・文化活動の企画・運営と、それによる心身の健康づくりの推進など

間地謙太 隊員
着任年月:令和6年6月
これまでの主な取組み:
・部活動の在り方などの協議
・町のスポーツ・芸術文化イベントの運営 など

■協力隊OB 佐藤恒平さんより 町民の皆さんへ
ひとえに「地域おこし協力隊」と言っても地域づくりの支援や農業の担い手、インバウンド誘客など、ミッションはさまざまあって一人ひとり取り組むべきことが違います。もし町民の皆さんから「こんなことやってみたいけど、隊員とコラボできないか?」なんてご提案があるときは、ぜひ役場政策推進課などに話をしていただけるとその提案に最適な隊員とつないでくれるかもしれません。
→協力隊の情報は日々Instagramで配信しており、僕も楽しくチェックしています。ぜひ皆さんもご覧ください。

■鈴木町長より 振り返りとこれからのこと
今回の座談会では、さまざまな立場から朝日町のことを話していただきました。話の中でお聞きした地域の現状や住民の皆さんの生の声、協力隊の皆さんが感じる町の課題などをぜひ参考にさせていただき町政運営に努めてまいりたいと思います。
協力隊の皆さんにはそれぞれミッションがありますが、その中でも自分が楽しいと思うことにどんどん挑戦してほしいです。自分が楽しいと思えることには、きっと周りの人たちも付いてきてくださると思いますし、地域も関わってくださると思います。皆さんの活躍は朝日町に残りますので、ぜひ今後とも頑張っていただきたいです。

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