文字サイズ
自治体の皆さまへ

住人十色(じゅうにんといろ) 番外編

16/25

山形県朝日町

今回は朝日町の自然をきっかけに、エネルギーや環境における社会課題の研究に取り組む相楽洋さんを紹介します。
昨年東京科学大学の教授になり、学生とともに研究を進めている相楽さん。朝日町での思い出や、現在取り組んでいる研究についてお話をお聞きしました。

■朝日町の自然をきっかけに、小さな世界と大きな世界を結ぶ
国立大学法人 東京科学大学 教授・博士(工学)
相楽洋(さがらひろし)さん(大谷第五区出身)

○教授を目指したきっかけは?
教授を目指していたわけでは全くありません。ただ、地球規模での社会課題解決に貢献できるような研究ができることや、日本や世界の多様な地域から集まる学生と一緒に学び合うことを通じて、研究・教育両面に携わる大学での教職に魅力を感じるようになりました。

○現在取り組んでいることは?
エネルギー問題と環境問題、特に地球規模での社会課題の解決に向けた研究・教育を、国内外の方々と行っています。研究は、原子核反応から環境動態(地球環境の変動)まで、小さな世界と大きな世界を連続的に結び付け、さまざまな現象を大規模計算で再現・予測しながら進めており、放射性廃棄物の無害化や資源化、核不拡散のための技術研究などに活かしながら取り組んでいます。
朝日町の自然の中で育ったことが研究の大きな礎です。町民の皆さんが、町の自然の恵みを活かして生活している様子を身近に感じながら、自然科学の在り方“自然に学び、自然をまねる”に魅力を感じるようになりました。そこから「自然の中には目に見えていないものがたくさんある」と考えるようになり、目に見えないような小さな世界に興味をもち、現在に至ります。

○やりがいに感じることは?
研究では今まで誰も向き合うことがなかった課題に取り組みますので、人類を代表して挑戦できることにやりがいを感じます。また、これからを担う学生たちと一緒に学び合えることに喜びを感じています。今では大学での教職は天職に感じており、とても楽しいです。

○朝日町での思い出は?
たくさんありますが、剣道を習う中で教わった「守・破・離」という考え方は現在も研究に活かしており「基本を守り(守)、疑い(破)、独自の世界を築いていく(離)」ことの大切さをよく学生に伝えています。
また、帰省して友人と会うと、町の過疎化がよく話題に上がります。私にも何かできることはないか常に考えており、微力ではありますが、ふるさと納税を継続的に行ったり、帰省の際に町内の店舗をよく訪れたりしています。
私たちの大学では、自治体と協力して脱炭素化などによる産業発展と環境保全の推進に取り組んでいます。さまざまな分野において、町の発展に貢献できればうれしいです。

○これからの目標は?
昨年理工学系と医学系大学が統合し、現在の所属大学が誕生しました。医工連携によって解決できる社会課題もたくさんあるため挑戦したいです。また海外での仕事を通じて、技術力や勤勉さなどにおいて日本がどれほど海外から期待されているのかを知りました。国際的に活躍できる人材の教育にも引き続き力を入れていきたいと考えています。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU