―町全体が博物館 朝日町エコミュージアム―
■第23回 薬師堂(新宿)
所在地:新宿集落の南西部、木立に囲まれた石段の参道を上った山あいにある
今は薬師堂と呼んでいますが、本来は東善院瑠璃堂(とうぜんいんるりどう)と言います。御堂に保管されているとされる棟札(むなふだ)には「宝永5年(1708)4月、造立(ぞうりゅう)主は不動院宝純(ほうじゅん)東善院、供養導師は東守寺永学(えいがく)」とあります。かつて参道の入口付近にあったとされる東善院とは羽黒山修験の寺院であり、豊龍神社を祀(まつ)る元東守寺の配下であったことが分かります。
本尊の薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう)は面相極めて優雅で気品にあふれ、衣紋(えもん)も流れるように美しい仏像です。平安時代後期に地方仏師の手によるものであろうと考えられており、県内でも数少ない貴重な仏像として、平成5年に山形県の有形文化財に指定されています。
◇ウサヒのゆるっと解説
薬師如来は東方の浄瑠璃(じょうるり)世界の教主で、医薬の仏として病気を治してくれるものとして信仰されているんだよ。また、薬師堂には本尊の脇侍(わきじ)として日光・月光の二菩薩(ぼさつ)と守り神として十二神将(じんしょう)も祀られているんだよ。
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