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町長歳時記 (216)

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山形県朝日町

■「憐れみ」とは何か
~人間として、本当にしなければならないこと~

作家であり文化功労者であった曾野綾子氏が2月28日、老衰のため東京都内の病院で93年の生涯を閉じられました。
今から25年前、氏は12回に渡る「NHK人間講座」の中で、『現代に生きる聖書』という講義をなされておりました。その講義は、示唆に富んだ内容がふんだんに盛り込まれ、人生における生きる指針を私たちに教えて下さいました。
その講座の中で語られた次の言葉が、公に仕える身となって20年経った今、さらに身に沁みて感じられるものとなっています。以下、氏の言葉であります。

~「『私が求めるのは憐れみであって、いけにえではない』という言葉の意味を知っていれば、あなたたちは罪もない人たちをとがめなかったであろう」(マタイによる福音書12章7節)
私たちはよく正義ということを考えると「おまえはいけないんだ。だから罰しましょう」と非常に厳しくします。ユダヤには613のすべきこと、してはならないことがあります。どれかに抵触しないか、どれをしなければならないか、ということを、常に一生懸命考えています。しかしそういうことにがんじがらめになっていると、人間として本当にどうしなければならないかということを忘れてしまいます。これは昔のユダヤ人だけではありません。現代のお役所仕事というものもそうです。「これはこれである故にいけない」と、秀才ほどできない理由を素早く述べてしまいます。しかし、わたしたちが本来心しておかなければならないことは、そういうことではなくて、「どうしてあげたらいいのか」と言うことです。~

ここで言う「憐れみ」とは、「人に寄り添い、思いやり深い行いをすることだ」と教えているのです。

朝日町長 鈴木浩幸

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