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自治体の皆さまへ

菅野大志の「いどばた会議」vol.16(2)

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山形県西川町

▽LINEを通じて1400人と交流
菅野さんが温めていた考えはこうだ。「一気に人口増加に転じさせるのは難しい。まずは西川町のファン、つまり『関係人口』を増やさなければならない」
関係人口とは、大都市など町の外に住みながら、観光や仕事などさまざまなきっかけで継続的に町と関わってくれる人のことだ。ふるさと納税をしてくれる人、観光のリピーターになってくれる人、仕事を通じて町と関わってくれる人…。
こうした人からニーズやアイデアを吸い上げ、町の知名度や魅力を高めることで、観光振興や財源確保、ひいては移住の増加につなげるという青写真を描いた。
それを実現するための手段がデジタルだ。狙いをこう解説する。
「財源や人手に乏しい中山間地の小規模自治体でも、町内から遠方の人まで幅広くコミュニケーションをとることができる。SNSのアカウントやメールアドレスとつながることで、相手の関心に沿った効果的な告知も可能になる」
中でも、利用者が多いLINEにまず目を向けた。「オープンチャット」と呼ばれる機能を利用すれば、町内外の誰でもチャットグループのメンバーになり、全員に向けたメッセージを送ることができる。メンバーから知人や出会った人をグループに誘ったり、町のSNSで参加を呼びかけたりして、メンバーを増やす狙いだ。
チャットで告知する内容は、観光PRから、町内外のイベントに参加した際の写真や感想まで多種多様。町外の人からもさまざまな投稿が寄せられる。町長となった菅野さんも頻繁に投稿し、メンバーと直接、意思疎通をする。
メンバーは次第に増えていった。今年9月20日現在で1400人超となり、手応えを感じている。「町内外との活発なコミュニケーションができている。町在住の利用者も相当数いるため、町民ニーズの把握にも役立っている」

▽「デジタル住民票」をネット販売。13倍越の抽選に
今年4月には、新たにユニークな取り組みを始めた。「デジタル住民票」だ。
町の事業だが、公的な住民票ではなく「西川ファンの証し」という位置づけ。価格は千円で、町内外の誰でもデジタル住民となれる。町長とネット上の仮想空間「メタバース」上で意見交換できるほか、町外の「住民」は町の温泉が入浴無料になる。デジタル住民票の作成では企業と連携して「非代替性トークン(NFT)」と呼ばれる技術を使った。
NFTは、複製不能のデジタルデータを指す。近年は町おこしでの活用が広がっているが、菅野さんによると、自治体が公式に販売するのは全国初という。
当初は1千個限定の抽選販売だったが、話題を呼び、販売開始から1分で発行数を超える申し込みがあり、最終的には1万3440人に上った。「町民の約3倍の人たちが関心を持ってくれたことになる」
9月には、町内の公園の命名権を付与するNFTアートのネットオークションも開催。すると、「想定以上」と町職員も驚く130万円で落札された。

▽人手不足はAIでカバー
町長の地方創生策はまだ終わらない。
町の人手不足をAIでカバーする取り組みにも力を入れ、観光振興の一環として、4月から「AI謎解きゲーム」を実施している。地元の山岳信仰をモチーフにしたストーリーに従い、AIと対話しながら謎を解く内容だ。町内を周遊しながら魅力を体感してもらい、人手をかけずに西川ファンを増やす狙いがある。
町民生活向上のためのアプリも企業と開発している。AIが生活相談を受けたり、お年寄りの話し相手になったりすることができる。方言にも対応しようと、今年7月には地元の言葉をAIに教える町民らをオーディションで募集。40~80代の男女計5人が選ばれた。
アプリを搭載したタブレット端末は、2024年3月末までに町内の全戸に配布する予定だ。

◆第7次西川町総合計画・町政報告会
日時:10月20日(金)19:00~
場所:交流センターあいべ
西川町のこれからと変容について本気でお話しします!ぜひご参加ください。

※ご登録お願いします!
・町公式LINE
・オープンチャット
(詳細は、本紙掲載二次元コードからご覧ください。)

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