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飯豊町で新しい学校教育が始まります~魅力ある義務教育学校の開校を目指して~

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山形県飯豊町

■第7回 義務教育学校とはどんな学校?(後編)
義務教育学校はどんな学校なのか。前編と後編に分けてメリットとデメリットを解説しています。後編は、義務教育学校のデメリットとその対策について考えてみます。

義務教育学校は小学校と中学校が一つとなった学校ですが、そのデメリットとして、一般的に次の例が指摘されています。
一つ目の「リーダーシップや自主性を養う機会が減る」という点については、特に5・6年生に当てはまるとされ、本来は小学校で担うはずであった校内でのリーダーシップを発揮する機会が減少するという懸念です。義務教育学校では、各学年の児童生徒にどのような役割を与えていくか、学校独自の工夫が求められます。新庄市の義務教育学校萩野学園を参考にすると、児童生徒会には5年生以上の子どもたちが参加します。5・6年生は、次の学校のリーダーとなるための養成期間であり、学校行事や委員会の中で、先輩たちの行動を見習って活動し、おのおの役割を果たしながら、主体性や行動力を学んでいきます。一方、4年生は児童生徒会とは別に「前期ブロック委員会」に属し、校内美化活動、あいさつ運動、低学年への本の読み聞かせなどを行っています。
このように義務教育学校では、各学年に適した役割を与え、子どもたちが責任と自立性、協調性を養うことができる環境を整えていくことが必要になります。
次に「9年間での人間関係の固定化」についてです。9年間同じ学友の中にあって、もしなじめない子がいる場合、その子はずっと孤立しないだろうか、という心配もあります。子どもの個性と人間関係に関することなので、さまざまなケースがあり難しい問題です。児童生徒の自己肯定感と存在感を維持するための一つの方策として、学校では異学年交流による学校行事や合同学習などの機会を多く設け、クラスの枠にとらわれない児童生徒間の交流を促していくことがあります。さらに学校全体で子ども一人一人の様子をしっかり見守っていく必要もあります。
最後に、「小学校卒業の達成感がない」と「中学校の新鮮さがない」とする指摘については、義務教育学校になると、1年生の入学式と9年生の卒業式だけとなり、小学校の卒業式と中学校の入学式はなくなります。どちらも子どもと保護者にとって大切なライフイベントです。それに代わるものとして、小学校課程の修了式や2分の1成人式、立志式などといった学校行事を設定し、親子で成長を実感し、喜びを分かち合う節目を用意することも検討しなければなりません。なお、中学校課程に入ると制服の着用、部活動加入などが想定され、義務教育学校の中でも子ども自身に「中学生になる」という意識の切り替えが芽生えます。
義務教育学校開校準備委員会では、この他にも想定される課題を整理し、義務教育学校のメリットを最大限発揮できるようにしっかりと計画を練っていきます。

◇義務教育学校のデメリットの例
・リーダーシップや自主性を養う機会が減る(小学校高学年の時期)
・9年間での人間関係の固定化
・小学校卒業の達成感がない
・中学校の新鮮さがない

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