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自治体の皆さまへ

地域おこし協力隊が行く‼(後藤武蔵・小野優太朗)

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山形県飯豊町

■私とSDGs(エスディージーズ)~持続可能な私の取り組み~
SDGsへの貢献:8・13

◆農業組合法人沖のかもめ
菅野誠一さん 佐藤優一さん 佐藤昭一さん 武田親祐さん
農業組合法人沖のかもめは収益性に加え、持続可能な循環型農業を目指し、さまざまな新しい取り組みを行っています。この活動は主にSDGsの13(気候変動に具体的な対策を)に貢献しています。

◇はじめに沖のかもめの取り組みを教えてください
米価の下落、担い手不足などの課題に加え、農業においても地球温暖化対策が求められています。その中で、飯豊町の主要産業である農業を持続可能にするため、今年度から「液肥の活用」と「秋耕(しゅうこう)に関する実験」に取り組んでいます。
ながめやまバイオガス発電の過程でできる液肥の活用については、化学肥料の代わりに液肥を散布して稲の生育状況を観察しました。化学肥料は価格高騰が続いており、また、温室効果ガスの排出源ともいわれています。液肥の活用が進めば、費用削減と温室効果ガスの削減につながります。今年の収穫では、化学肥料使用時と比べても、同じくらい稲の生育が良いことを確認できました。
秋耕とは秋に稲を収穫した後、田畑を耕すことです。春の田植え時に発生する温室効果ガスを削減することができ、稲の生育にも良いといわれています。その検証として、町内3カ所の水田で秋耕による温室効果ガスの削減効果および米の品質や収量の測定を、山形大学と協力して行う予定です。
このようなデータが集まり液肥や秋耕の有用性が広く認知されることで、飯豊町の農業と畜産業の連携がより一層深まることや環境を意識した農業に変化していくことを期待しています。

◇農業の楽しさやりがいについて教えてください
楽しさは何といっても秋の収穫です。これまで丁寧に育ててきた農作物を収穫できることに喜びを感じます。
また、自然が相手のため自分たちの想定通りにいかないことがよくあります。その時に、次はこうやってみようと皆で考えながら進めることがやりがいにもつながります。

◇これからやってみたいことを教えてください
未利用木材やもみ殻を炭にしたバイオ炭を水田に散布してみたいです。液肥と合わせることで、より効果的に化学肥料の使用量を減らし、土壌改善効果が表れることを期待しています。現在、もみ殻は焼却するなど各自で処分している場合も多いため、町全体でもみ殻を有効活用出来れば良いなと思います。

■SDGs一口メモ! SDGs用語解説(第3回)
SDGs:13

◇バイオ炭
バイオ炭とは、食物残渣(ざんさ)、木材、もみ殻などの生物資源を「炭化」させたもののことを言います。
バイオ炭には、保肥力の向上、ミネラルの補充、土壌の中和作用や微生物の繁殖などの観点から土壌を改良するほか、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を土の中に閉じ込めるのに役立つなど、多くのメリットがあると考えられています。
これまで捨てられていたものが、生まれ変わって役に立つ持続可能な循環の代表例ともいえます。

植物が大気中の二酸化炭素を吸収

[燃焼]
・二酸化炭素は大気中へ
・灰
[炭化]
・炭 炭素は固定されたまま

植物が育つ

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