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飯豊町で新しい学校教育が始まります~魅力ある義務教育学校の開校を目指して~

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山形県飯豊町

■第6回 義務教育学校とはどんな学校?(前編)
町が、令和8年度までに義務教育学校開校を決めた理由をこれまで説明してきましたが、今回は、そもそも「義務教育学校」とは、どんな学校なのかを解説したいと思います。

義務教育学校は、学校教育法の改正で平成28年に新しく定められた学校制度です。小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う学校で、小学生と中学生が同じ校舎で学び、学校生活を共にします。私たちの慣習となっている6・3年制の小・中学校が、9年生の学校になるということですから、大変革です。
全国的に義務教育学校は、増加傾向にあります。令和3年度に151校だった義務教育学校は、翌年度の1年間で27校増え、令和4年度は全国で178校となっています。山形県内では、新庄市に2校(明倫学園と萩野学園)、戸沢村に1校(戸沢学園)あります。
小学校と中学校が一体となることで、どんなメリットがあるのでしょうか。
町にとっての大きなメリットは、複式学級の解消があげられます。児童・生徒が集うことで、そのスケールメリットを生かし、多様性ある学校環境をつくりだすことができます。子どもたちのさまざまな個性に触れ、切磋琢磨により社会性を育む学校を目指していきます。
「中1ギャップ」の緩和も、義務教育学校の大きなメリットです。中1ギャップとは、子どもが小学校から中学校への進学で、新しい環境での学習や生活に戸惑い、不適応を起こしてしまう現象です。義務教育学校は、小学校から中学校への接続が円滑であることから、子どもにとって環境の変化が小さく、中1ギャップによる不登校の減少が期待できます。
学習面でもメリットがあります。それは、小学校の先生と中学校の先生が同じ学校に在籍していることにあります。一例として、現在、小学5・6年生は、英語の教科が必修科目になっています。小学校では、英語が専門ではない学級担任の先生が教えるケースが一般的です。一方、義務教育学校には、英語を専門とする中学校の先生がいますので、英語を専門とする先生が5・6年生に直接指導することができるのです。小学校課程の一部に教科担任制(教員が特定の教科を担当し、授業を行うこと)を導入し、先生の乗り入れ指導により、子どもたちにより効果的な授業を組むことができます。また、中学生にとっては、小学校の先生が同じ学校にいることで、学習面や生活面でつまずいたとき、小学校の先生にさかのぼって相談できる安心な環境があります。
ただ、義務教育学校にも想定されるデメリットがありますので、次回は、その点についても触れたいと思います。

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