■辰年生まれと語るまちの未来
昨年、電動モビリティシステム専門職大学の開学や貸工場への企業誘致が決まるなど、飯豊町のまちづくりは新たなステージに進みました。今年は縁起が良いとされる辰年。これまで町がまいてきたさまざまな種から出た芽が、一層大きく成長することを期待しています。
今年の新春座談会では、辰年生まれの各年代から4名の方にお集まりいただきました。干支が一周する12年の間に、世の中は大きく変わります。社会情勢、流行、食事や科学技術、何もかもが異なる環境で生まれ育ってきた皆さんと町長が、これからのまちづくりについて語り合いました。
渡部あや乃(の)さん
黒沢出身(山形市在住)
辰年3回目。株式会社ハイテックシステム勤務。カフェ巡りが好きで、お気に入りのお店はポタジェ。
舩山ひとみさん
手ノ子出身(米沢市在住)
辰年4回目。NPO法人から・ころセンター勤務。手作りアクセサリーをマルシェで販売することも。
桜井麗(あきら)さん
手ノ子出身(手ノ子在住)
辰年5回目。株式会社米沢食肉公社役員。地元では青年部や祭りの祭典係で活躍中。
田林仁(ひとし)さん
中出身(中在住)
辰年6回目。長井交通株式会社勤務。住民の足となって循環バスやタクシーを運転する。
後藤幸平町長(以下「町長」)
新年あけましておめでとうございます。今年は辰年ということで、年男・年女の方に色々なお話をお聞きしたいと思います。全員世代が違いますので、初めてお会いするという方ばかりではないでしょうか。それでは、自己紹介をお願いします。
田林仁さん(以下「田林」)
1964年の東京オリンピックの時に生まれました。中地区に住んでいます。今は長井交通というところで働いており、市営の循環バス、長井北中・南中のスクールバス、タクシーも運転しています。以前は萩生にあった和光電気で働いていました。よろしくお願いします。
桜井麗さん(以下「桜井」)
桜井麗と申します。生まれも育ちも手ノ子です。勤めが米沢市にある米沢食肉公社というところで、大学を卒業してから23年お世話になっています。後藤町長には会社の監査役員をしていただいており、いつも大変お世話になっております。牛とか豚をお肉屋さんやスーパーに卸したり、ハンバーグやウインナーといった加工品を作って販売する仕事をしています。
舩山ひとみさん(以下「舩山」)
皆さん初めまして、舩山ひとみです。出身は手ノ子の荻です。米沢市にある、若者の応援をする活動をしているNPO法人から・ころセンターで働いています。また、昨年から人とのつながりやまちづくりについて考えるいいで未来カフェという町の企画に参加しています。
渡部あや乃さん(以下「渡部」)
渡部あや乃と申します。黒沢出身で、今は山形市に住んでいます。IT企業のハイテックシステムに勤めています。主に中小企業や官公庁を対象に、サイバーセキュリティ関係のサービスを提供している会社です。その中で私は、自社のブランディング(ブランドの価値を高めるための施策のこと)や採用、企画の仕事をしています。
町長:渡部さんは、これから飯豊町でしてみたいことはありますか。
渡部:私は4年間県外の大学に通っていたこともあり、ふるさとがあるありがたみというのをすごく感じます。ですので、何かしらの形で恩返しできたらなと思っています。他には、実家が農業をやっていてお米をもっとアピールしたいということもあり、東京でウェブデザイナーとして働いている姉と一緒に家の仕事に協力したいと考えています。
町長:ぜひお姉さんと一緒に飯豊にサテライトオフィスを構えてもらいたいですね。
舩山さんはお仕事を通じて感じていることはありますか。
舩山:職場で調理を担当しており、宅配のお弁当を毎日手づくりしています。主にご高齢の方やデイケアを使っている方が多い印象です。最近はコロナの影響で、ご飯をお家で食べる方が増えているのかなと感じますね。
一人分のご飯を作ることが難しい方に、バランスの良いご飯を食べていただくことを目的としています。塩分などに気を付けていて、薄味だけどおダシが効いているような味であったり、味付けを工夫しています。他にも、事情があって仕事に就けないような若い人も利用者として一緒に作業してくれているので、そういう人たちも関わってできているお弁当が届くというのは意味のある活動じゃないかと思いながら毎日作っています。
町長:それはものすごく意味のある仕事だと思います。
舩山さんは、どのようなきっかけでいいで未来カフェに参加することになったのでしょうか。
舩山:山形市で開催された若者支援の交流会で、飯豊町の地域おこし協力隊の方とお会いしたことがきっかけです。昨年は色々な社会との接点が増えてきて、ポツポツと種をまいたような年だったなと思います。すごく充実した一年でした。今年はこれをもっと発展できればと思います。
町長:生まれた場所というだけでない町との関わり方ですね。前向きで素晴らしい。
桜井さんは、今の仕事から飯豊町がどう見えていますか。
桜井:畜産関係の仕事ですから、やはり米沢牛を4割も生産している飯豊町とは密接に関わっています。米沢牛は私が入社した2000年当時から、1頭あたりの価格が3倍近く上がっており、いわゆるブランド価値が非常に高まっています。ただ、牛は飼育時に温室効果ガスが発生する環境負荷の高い動物であるため、環境意識の高い欧米では流通が容易ではありません。そんな中で、メタンガスで発電するという飯豊のバイオガス発電所は、SDGsの観点からもすごくPR効果があると感じています。それで米沢牛全体のイメージが良くなるということも一つなのですが、私の地元でそういった取り組みが積極的に行われているということは、本当にありがたいなと思っています。
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