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自治体の皆さまへ

新春座談会(3)

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山形県飯豊町

町長:今の時代はデジタル技術も大事ですよね。人口減少に直面した時のなんらかの新しいツールというか。
舩山さんは心の問題や悩んでいる人のケアといった職場に身を置いてみて、思うところはありますか。

舩山:私は自宅にいた時期があったので、飯豊町は「それでもいいんだよ」と安心して暮らせる場所だと思っています。そこを大事にしてもらいながら、もう少し色々な人と交流できたり接点を持てるような場が飯豊町の中にあったらなと思います。色々なことをしている人が実は町にたくさんいるんだということが、日常生活の中だけでは分からないと思います。後は、自分の希望としては居場所づくり。フリースペースとして色々な人が来て、交流できるような機会とか場を作る。最初は小さな集まりで始めて、だんだんみんなが集まって何かしたいねということをやっていける場を作りたいです。「楽しいことができるって分かると参加してくれる人は必ずいる」ということは、これまでの経験で分かります。そういうものをつなげていくと、文化的にも生活的にも興味を持ってつながっていきたいと思う人たちがどんどん勝手につながり始めると思います。

町長:どういうものを題材に交流しましょうか。アクセサリー作りや音楽、料理もいいですね。

舩山:私はとても料理が好きなので、地域の食文化というか、漬物だったり、山菜の料理を色々な人から教わったりする場があったらうれしいなと思います。

町長:このままだと漬物文化がだんだん先細りになってしまいます。それは困りますね。
渡部さんは人口が減っていくということに、どんな考えを持ったりアプローチしたいと思いますか。

渡部:私が大学に在学中、地元である旭部落のお祭りが「人が少なくてできない」ということがありました。それがすごくショックで、その時に「これじゃあダメだ」という感覚になりました。その後、地域づくりを学ぶために別の大学に入り直しました。その中で飯豊町と人口規模が近い町の事例として、コミュニティスペースの可能性を学びました。同世代だけでなく色々な世代が集まれる場所で、高齢者を対象にスマートフォン教室をしたり、小学生が勉強をしたり、コワーキングスペース(さまざまな人が仕事できる共同の場所)として仕事をする人がいました。そこでは高齢者と子ども、また仕事で利用していた町外の人と町民の交流が生まれていました。利用するきっかけは別々だったとしても、何らかの交流が生まれることで町の魅力に気づけたり、町外の人から「いい町だね」と言われることで自分たちの町の良さに気づくこともあります。交通網やインターネット環境を整備して、そういうコミュニティが生まれるような仕組みづくりをするというのが大切なんじゃないかなと感じます。

町長:皆さんのそれぞれの夢をまとめていただいたような、素晴らしいお話をありがとうございました。
皆さんのお話をお聞きしていると、コミュニケーションや交流がとても大切であると伝わってきました。これから飯豊町が目指していかなければならないことも、それを忘れてはいけないと改めて感じることができました。
最後に、次の辰年である12年後はどういう自分になりたいかを教えてください。

渡部:12年後というと36歳。もしかすると今度は自分が親になっているかもしれません。まだその想像はできませんが、20代の今のうちに色々な経験をして、色々な人と関わって、勉強しながら良い親に、良い大人になれるように頑張りたいなと思います。

舩山:飯豊町で生計を立てながら、ライフワークとして居場所づくりをしていたいです。春くらいから自分たちだけで小さく始めて、ある程度色々な人とつながりができて形になって、法人化できたらいいなと考えています。48歳になる頃には生活が成り立っているといいなと思います。あと、家を建てたいです。今の実家は古くて寒いので、親と一緒に安心して暮らせる暖かいお家に住みたいです。

桜井:60歳というと一番最初に浮かぶのは、会社の定年なんです。その頃には定年が60歳かは分かりませんが、仕事の方はおそらく後継者を育成してひと段落つけなくちゃいけない時期だと思うんです。ですので、仕事よりも地域との関わり合いという方にだんだんと軸足を向けるような過ごし方ができていたらいいなと思っています。手ノ子の歴史を勉強して、そういったものを地域に残していけるような、色々な意味で地域と関われる人間になれているといいなと思います。

田林:今60歳になって、やってこれなかったことはなかったかと振り返った時に、やっぱり子育てで悔いが残っています。ちょっと仕事にかまけて足りなかったなと。12年後は孫が17歳になりますので、自分が子どもにできなかったことを見せてやりたいなと思っています。それにはやはり落ち着いて生活ができるように自分を安定させて、健康でいたいですね。一つでもこれが自分の役割なんだって思えるような生活でいたいなと思います。役割っていうのは、年齢を重ねてできなくなることがあっても、その時にはその時のその人の役割というものがある気がしています。

町長:最後はやっぱり健康と心と。「から・ころ」ですね。
今日は大変貴重なお話をいただき、素晴らしい座談会になりました。これをきっかけにまたどこかでお会いできることを楽しみにしています。
ぜひ辰年にふさわしく、元気を奮い立たせた良い年になりますことをお祈りしています。本当にありがとうございました。

全員:ありがとうございました。

■新春座談会を終えて…
田林:話をする、思いを伝えるというのは本当に難しいなと感じました。初対面、そして世代の違う方々の熱い思いに触れ、新しい発見と希望ができました。

桜井:参加して感じたことは、世代が異なっていても、何かにつけ共感できる点が多いなあと言う事でした。飯豊町を良くしたい。飯豊町が良くなって欲しいという思いと、飯豊町が好きだという共通点があるからなのかもしれません。

舩山:同じ飯豊町内にルーツを持つ、世代が違う方たちとお話することができ、新年、そしてその先の未来に思いを馳せながら過ごさせていただきました。素敵な機会をありがとうございました。

渡部:町のことについて直接町民の方や町長とお話できて、大変有意義な時間を過ごすことができました。幅広い世代の方の意見をお聞きすることができ、まちづくりへの意欲と関心が深まりました。

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