◆第8回 施設一体型での開校に計画を変更します
先月開催された町議会定例会の一般質問では、義務教育学校開校の今後の方針などについて質問がありました。嵐町長は、施設一体型での開校に計画を変更し、その準備のため開校時期を延期する方針であると表明しました。今回は、なぜ施設一体型での開校に計画を変更し、開校時期を延期する必要があるのかを解説します。
下の表は、いいでの森学園が施設分離型で令和8年度に開校した場合の1~9年生の3つの学舎ごとの児童生徒数の見込みです。少子化が急速に進んでおり、表のとおり2年生は、北学舎と南学舎を合わせても1クラスの学級定数である35人以下の状況となります。1年生も定数を1名しか上回っておらず、きわどい数です。いいでの森学園は一つの学校として位置づけられますので、法律に定められている教職員の配置定数により、35人以下の学年に学級担任の先生は、1名しか配置されません。そうなると北学舎と南学舎のどちらかにしか担任の先生がいない状況になってしまうことになります。
施設分離型の教職員配置の課題は、学級担任だけではありません。教育委員会では、県に対し施設分離型を見据えた教職員の配置を要望してきましたが、県から、「町の希望どおり3学舎に教員・養護教諭・事務職等の数を配置することは難しい」との見解が示されました。義務教育学校への統合により、基準以上の人数の教職員を配置(以下、「加配」と表記します。)してもらえますが、施設分離型の場合、校舎が分かれることで数が分散され、不足分を補うまでにはいたりません。また、加配の年数は2年程度のものもあり、持続可能なものとは言えないのです。
急速な少子化により、当初見込んでいた児童数を下回ったことが、施設分離型での教職員配置の難しさにつながっているものです。教職員の不足は、学校運営自体に支障をきたすため、根本的な計画の見直しが必要になりました。
一方、施設一体型の場合、統合による加配も含めた教職員が一つの学校に集まることで、新しい学校立ち上げの大きな促進力となり、最大限に学校運営に生かすことができます。
以上のことから、いいでの森学園を施設一体型で開校することに計画を変更したものです。そのためには、1~9年生が入ることができる教室の確保や職員室の拡張などが必要になります。令和8年4月の開校を目指してきましたが、財源確保と校舎整備のための工事期間などを考え、開校時期を延期することとしました。
教育委員会では、確実な計画と見通しを立て、開校時期が決まり次第、保護者をはじめ町民の皆さんへ速やかにお知らせします。
◇令和8年度における児童生徒数の見込み(令和6年12月1日現在)
児童数36人以上でない場合は、1学級となり担任の教員が両学舎で1名だけになることが予測される。少子化はさらに進んでおり、これ以降、学舎を分離しての学級運営は難しい。
◆極小規模学校・複式学級解消に向けた小学校統合の意見募集
教育委員会では、いいでの森学園開校までの間の極小規模学校・複式学級解消のための緊急的な対応策として小学校統合が必要だと考えています。統合案を提案し、町民の皆さんから意見をいただきたいと思います。
意見交換会の日程と会場、意見公募などについては、下の二次元コード(本紙参照)からご覧ください。
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