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【新春特集】飯豊町の農業をつなぐ人たち(3)

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山形県飯豊町

髙橋啓(さとし)さん
小白川地区在住。合同会社髙橋ファーム代表。令和元年就農。両親や従業員とともに畜産と水稲栽培を行っている。

◆両親の働く姿を見て就農
両親や従業員とともに畜産や水稲栽培に取り組む髙橋啓さん。令和5年3月に法人化し、合同会社髙橋ファームを設立。農業に従事し、農作業の様子などをユーチューブ(動画共有サービス)で配信しています。
髙橋さんは、高校卒業後、会社勤務を経て、令和元年に就農しました。就農のきっかけについて、
「幼い頃から両親の働く姿を目にし、田んぼの手伝いをするのが好きでした。いつかは農業を継ぐつもりで企業に就職し、週末は手伝いをし、事業の規模拡大を契機に就農しました」。
現在は、肥育牛120頭、親牛22頭、仔牛10頭の飼育とはえぬき、つや姫、飼料米、稲WCS(ホールクロップサイレージ・牛の飼料)を合わせて15ヘクタール栽培。共に働く従業員の方は、子ども同士が同級生という縁があり、農業をやりたいという話を聞いて、法人化に伴い採用しました。ユーチューブは広報担当の方が編集し、髙橋ファームの日常を配信しています。

◆毎日優しい気持ちで牛の世話をする
髙橋さんの仕事は早朝から始まります。毎朝6時に牛に餌を与え、日中は田んぼの作業や牛舎の掃除、牛の出荷や買い付け、夕方は再度牛の餌やりを行います。
また、春は田植えのための育苗や田植え、夏は田んぼの管理、秋は稲刈りやわら集め、冬は勉強会や研修会、他の牛舎の見学や意見交換など年間計画をもとに作業し、その様子をユーチューブで配信しています。
「牛を飼っていると、毎日朝夕の餌やりがあり、家族で遠出しても夕方には戻ってこなければならなかったり、子どものスポーツ少年団の大会の応援や送迎のやりくりが大変でした。従業員を雇うことによって休みが取りやすくなり、仕事と休日のバランスを取ることができるようになりましたね」。
前職が建築関係だったという従業員の方は重機の操作はもちろんのこと、ムードメーカーでもあり髙橋さんの相棒として無くてはならない存在となりました。

◆髙橋ファームの日常を映像で配信
髙橋さんは、知人から紹介されて、広報担当の奥山さんと知り合い、2週間に1度の割合で作業風景や牛の買い付けなど日常の様子を令和5年4月からユーチューブで配信しています。
「一昨年、町主催の移住ツアー参加者の中に、動画を見てくれていた方がいて、見学に来てくれたことがありました。関東在住の方で畜産に興味があり、私のユーチューブを目にし、他の回も見てくれていたようでした。ツアーに参加して、偶然飯豊町に髙橋ファームがある事を知り、訪問できたことをすごく喜んでいましたね。また、県外の市場に行ったとき、知らない方に動画を見ているよと声を掛けられました。動画を配信することで、誰かの目に留まり、それがきっかけで交流や商品の販売につながることが実感でき、情報発信の大切さが分かりました」。
髙橋ファームを覚えてもらい集客したいと考えていた髙橋さん。動画を配信することで、知名度が上がり始めています。

◆農業に対する課題と今後の活動
髙橋さんは、農業に対する課題について、
「担い手が不足していることです。農業を辞めていく方が増える中で、若い世代が農業を始めなければ、休耕田が増えていくばかりだと思います。昔から目にしてきた、季節ごとに違う表情を見せる田んぼが、あちこちで作られなくなり休耕田になってしまうと寂しいです。これからの世代が、農業で稼ぐことができると思ってもらえるように、動画を発信して農業に興味を持ってもらいたいですね。畜産に関しても同様に、若い世代が農業の良さを感じ、新規参入しやすいような環境づくりが必要だと思います」。
また、今後の活動について、
「これからも自家産たい肥を使用し化学肥料を減らし、安全安心にこだわった米を届けたいです。また、将来は髙橋ファームの肉だから買うと言ってもらえるよう飼育を続け、牛肉の加工や販売も行いたいですね。他にも、農業を継承できる環境づくりのために、学校での講話や牛舎見学、情報発信を積極的にしていきたいです」。
牛に優しい眼差しで接し、丁寧に仕事をする髙橋さん。今年も安全安心な米づくりと牛の飼育に力を注ぎます。

◆最後に質問! 飯豊町の好きなところは?
のどかなところです。また、田植えをして1週間で田んぼがうっすら緑色になり、あっという間に緑が濃くなるような景色を見ることができるところです。

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