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次へとつなぐ若き先駆者たち[ネクスト]

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山梨県

■生産から販売、人材育成まで、持続可能な循環をつくり山梨県産果物の真の魅力を発信!
株式会社Bonchi 代表取締役社長
樋泉 侑弥

◇自分にしかできないことで、人を幸せにしたい
若くして起業し、山梨県産果物の通信販売や若者の新規就農支援を通じた地域課題の解決に取り組む樋泉侑弥さん。10代の頃から起業に関心を持ち、強く意識するようになったきっかけは高校卒業後すぐに留学したオーストラリアでの経験でした。
「約2年にわたるオーストラリア留学中に、海外で活躍する日本人経営者の方々とお会いする機会が多くありました。そういった方々の生活スタイルや人格、そして『自分にしかできないことで人を幸せにする姿』に触れ、私もいつかはこういう人になりたいという決意を持って日本に帰ってきました」
帰国後、自分が成長できる環境を求めて東京で就職した樋泉さんは、東京生活で果物の値段の高さと質の不均衡に驚いたといいます。
「生まれ育った南アルプス市は、モモやサクランボの生産が盛んな地域で、子どもの頃からおいしい果物を食べていました。また親戚が農家だったこともあり農業を身近に感じて、山梨の生産者が作ったおいしい果物をもっと多くの人に知っていただき食べてほしいと思ったときに、農業で起業するイメージが生まれました。
そこで2019年に山梨の果物をオンラインで試験的に販売したところ『こんなにおいしくて大きなシャインマスカットやモモは見たことがない』といった多くの反響があり、改めて山梨の果物の価値の高さに気付かされ、ビジネスの可能性も感じ、2020年に株式会社Bonchiを本格的に始動したのです」

◇先人が長年築き上げた技術を若者に継承し、新しい農業のカタチを目指す
山梨の果物の価値と魅力を再認識した一方で、農家の高齢化という課題の深刻さを実感した樋泉さん。その課題解決も起業の理由だったといいます。
「農家の平均年齢は67歳、そして20代以下の農家比率は全体の1%という現実を知り、このままでは、これまで農業に携わる人たちが築き上げてきた匠の技や知識、そして思いまでもが失われてしまうと感じ、この状況を変えなければ!という使命感が私の中に湧き上がったのです。そこで果物販売で得た収益の一部を若者の新規就農と移住のサポートに回し、生産から販売、人材育成までが循環する持続可能な農業システムを創造する事業も展開しています。昨年は60名以上の応募があり、その中から特に強い気持ちを感じた20代の若者3名を採用しました。現在は山梨に移住して当社が契約している農場で生産者の指導を受けながら研修を行っています」
今後は新たな形の滞在型観光農園事業も予定しているという樋泉さん。同世代の山梨の若者に向けてメッセージを送ってくれました。
「私は想像の外に未来はあると思っています。だから、起業家として、またチームとしていかに面白い形で今までに誰も想像したことない農業を創り出し、いかに多くの人たちの生活を豊かにするかを目指しています。もし起業したいと考えている方は、自分だったらこの社会の足りないところを補うことができるとか、もっと良い世界にしていきたいとか、自分が情熱を捧げられることで挑戦してみてはいかがでしょうか」

◎樋泉 侑弥さん
南アルプス市出身。
株式会社Bonchi代表取締役社長。
高校卒業後、2年間オーストラリア・シドニーに留学。2019年果物販売事業を開始し2020年に株式会社Bonchi設立。

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