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豊かさを実感できるやまなしを将来世代にも(3)

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山梨県

■水素技術のトップランナー山梨が脱炭素社会をけん引
世界的な脱炭素化の動きや政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」を追い風に、今後、水素・燃料電池分野の成長が確実視されています。本県は、この成長を取り込み県内経済の原動力とするため、再生可能エネルギーで水素を製造するP2Gシステムの普及を進めるとともに、県内企業の新規参入を促していきます。
県の米倉山電力貯蔵技術研究サイト(甲府市)で製造されたグリーン水素は、県内工場で脱炭素の燃料として活用されています。また、東京ビックサイト(東京都)の発電施設にも供給しています。
本県で開発した「やまなしモデルP2Gシステム」は、世界最高効率の電解質膜を用いた「固体高分子形」の装置を採用していることが特徴で、さまざまな規模に対応可能という利点があります。こうした優位性が認められ、サントリー天然水南アルプス白州工場(北杜市)や建設用コンクリート部材を製造する大成ユーレック川越工場(埼玉県)へのシステム設置が決まっています。国内にとどまらず、インドやインドネシアへも、やまなしモデルP2Gシステムの導入に向けて取り組みを進めています。また、諸外国の関心が高く、ブラジル、ベトナムなどの政府要人が視察に訪れています。
本県発祥の水素技術が国内外に展開され山梨の認知度が高まることで、企業や技術者が集まるようになり、それが技術進展を生み続け、さらに多くの企業・技術者が集うという好循環が期待できます。企業や多くの人が活動することで県内経済が活性化し、豊かな山梨が実現します。

■映画で見た光景が現実に?
リニア中央新幹線の開業という歴史的な好機を生かし、世界に開かれた山梨を実現するため、「空の移動革命」に向けた取り組みを始めました。
平成元年に甲府市で開催された博覧会「こうふ博’89」で展示されたリニアモーターカーはかつて夢の乗り物でした。今ではリニア開業に向けて着々と工事が進められ、夢物語は現実のものになろうとしています。
そして令和7年に開催が予定されている「大阪・関西万博」では、新たなモビリティである「空飛ぶクルマ」の運航実現を目指しており、日本各地で取り組みが活発化しています。スクリーンで見たSF映画のような光景が目の前に広がるのももうすぐそこに迫っています。
本県は、リニア開業がもたらす効果を最大化するため、その取り組みの一つとして空飛ぶクルマの社会実装に向けた事業を実施しています。今後、本県におけるビジネスモデルの実現可能性検討や県民への理解促進を図っていきます。
空飛ぶクルマによって、リニア駅や県内各地を結ぶ新たな交通ネットワークが構築されると、本県を訪れる方々だけでなく、県民にとってもスムーズな移動が可能となり利便性が格段に向上します。人の流れが活発になり、本県の活性化につながります。
また、ものづくり分野や観光分野など新たなビジネスチャンスが広がると期待されており、県内企業の参入を促進することで本県経済の発展につなげていきます。

■地域の課題解決と人材育成を同時に
全ての県民や県内企業がデジタル技術を「普段使い」できるようになり、誰もがその恩恵を受けられるようDXを推進しています。
近年、デジタル技術の目覚ましい進展によって私たちの生活の利便性が劇的に向上した一方で、個々のニーズは多様化し、既存の技術や汎用型のシステムでは対応しきれない課題もあります。こうした課題は、普段デジタル技術に慣れ親しんでこそ気付くことができ、また多くの方が使うほどさまざまな視点から浮かび上がります。そこで、県民の皆さんがデジタル技術を日常のものとして生活に取り入れられるよう、また、中小企業において小さなことからDXに取り組み大きな飛躍につながるよう、基礎的な知識を習得できる研修や実際に使ってみるワークショップなどを実施しています。
また、DXを進めるには、デジタル技術や人工知能(AI)などに精通したDX人材の確保も重要です。現在、県内のDX人材の数は十分とはいえません。そこで、人材の安定的な育成と供給に向けて、研修等によりデジタル技術を身に付けた大学生が中心となって、中高生へのDX指導・育成を行うとともに、商工会などと協力して中小企業のデジタル課題の解決を行うことで、地域内で人材育成サイクルを確立する取り組み「DX人材育成エコシステム」を進めていきます。
本県が目指すDXは、山梨県内で育成した人材が、中小企業の実情やニーズに合ったサービスをオーダーメードで提供する「地域内発型DX」です。全ての県民の皆さんがデジタル社会の恩恵を享受できるようになり、これが県民生活の豊かさにつながっていきます。

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