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[巻頭特集]新提案!富士トラム(1)

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山梨県

■瀬戸際の富士山を救い、未来のやまなしをデザインする
富士山麓とスバルライン五合目を結ぶ富士山登山鉄道構想について、長崎幸太郎知事は新たに、「富士トラム」(仮称)を提案しました。
この構想は、富士山の来訪者コントロールを実現し、あるべき富士山の姿を後世に引き継ぐことを目指します。

富士トラムは「未来のやまなし」をデザインするアイデアです。
富士トラムとはどんな交通手段なのか。
なぜ、従来の鉄レール案から変わったのか。
県民の皆さんに説明します。

◇富士山とリニアが直結!
ーミライのやまなしの日常風景ー
甲府市内の自宅を出て、近くのトラム駅まで歩く。走ってきたトラムに乗り込み、向かうのはリニア駅。25分も乗れば都内に着けるので、大学には自宅から通っている。
乗り込もうとしたリニアから、団体客が降りてきた。
「富士山に登るには東京から新宿経由で大回りしたものだけど、あっという間に着いたなあ」。関西か名古屋方面からの観光客のようだ。名古屋から45分とアクセスが良くなったので、西から来る人たちが以前より増えているらしい。
娘を大学に送り出した母は「便利だねえ。私たちの世代は、東京で高い家賃払って下宿していたのに…」とつぶやいた。
先日、隣の古い空き家に若いファミリーが引っ越してきた。「レトロ建築」というらしく、内装はリフォームして快適そうに暮らしている。小さなお子さんも以前より広い家に喜んで、にぎやかな声がよく聞こえてくる。パパは、東京から本社移転してきた会社に勤めているらしい。
「そういえば、県の偉い人が最近言ってる〝副都心構想〞ってこういう暮らしのことなのかな」ー
こんな未来図を実現するのが、富士トラムです。
富士山の来訪者コントロールを目的とする「富士山登山鉄道構想」ですが、富士トラムが実現すれば、皆さんの生活の質をグッと上げる可能性を秘めています。
今回提案する「富士トラム」のカギは、富士スバルライン五合目と富士山麓をつなぐトラムを、近い将来開業予定のリニア中央新幹線・山梨県駅(仮称=甲府市大津町、以下「リニア駅」)とも結ぶアイデアにあります。
実現すれば、リニア駅は、東京や名古屋方面から来る人にとって「富士山の玄関」になり、県民にとっては「大都市圏への入口」になります。

〔富士トラム(仮称)とは〕
住民の皆さんの懸念に対応した2つの大きな特徴を備えます。
・鉄輪ではなくゴムタイヤを使用
既存道路を使った延伸が可能で、静かに走行します。
・レールを用いない誘導方式の採用
鉄レールを敷設しないため工費を大幅削減。
軌道法の適用により来訪者コントロールが可能です。

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