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[巻頭特集]新提案!富士トラム(3)

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山梨県

◆富士トラムの特徴はここ!なぜ来訪者コントロールにつながる?
富士トラムを一言で表現すると、「電車の形をしたニューモビリティ」です。ゴムタイヤなので、レールを走る鉄道に比べて走行音が小さく、快適で上質な旅を満喫できます。まさに電車とバスのいいとこ取りなのです。
富士山麓とスバルライン五合目を結ぶトラムは、車両に搭載したセンサーが道路上の白線や道路に埋め込んだ磁気マーカーなどを読み取って走行します。白線はスバルライン上に線を引くだけで、磁気マーカーの場合も間隔を空けてマーカーを埋設する工事のみなので、環境への影響は最小限です。
トラムの動力源は、山梨県でつくっているグリーン水素の活用を想定しています。
グリーン水素とは、再生可能エネルギーでつくられた水素のことで、製造過程で二酸化炭素を排出しないため、「脱炭素社会」の実現に貢献します。
県企業局がリニア駅近くの米倉山(甲府市)で運営する施設は水素・燃料電池に関する世界最高水準の研究開発拠点で、企業や研究機関が集結しています。
富士トラムの動力源として、県産のグリーン水素が使われることで、世界中に「水素先進地域」という実績と名声が広まり、山梨ブランドの向上にも寄与します。
そして、富士トラムの導入が、富士山登山鉄道構想がそもそも目指していた「富士山をあるべき姿にして後世に引き継ぐ」こととどうつながることになるのかをご説明します。

◇「軌道」になるからバスも規制できます
現在の富士スバルラインは、マイカー規制以上に車両の進入をコントロールすることができませんでした。
富士トラムの導入にあたっては、走行に必要な白線や磁気マーカーをスバルラインに敷設します。この白線や磁気マーカーが「軌道」の役割を果たします。
路面電車や各地で導入が進む新交通システムなど、軌道上を走る乗り物は、「軌道法」という法律が適用されます。県は、富士トラムに軌道法を適用すればスバルラインへの一般車両の進入を規制できると考えています。規制が可能になれば、富士山への来訪者数をコントロールすることができるようになります。富士トラムの実現は、環境負荷にあえぐ「瀬戸際の富士山」を救うことができるのです。

◇コストを大幅削減
従来の登山鉄道案との違いは、大きく二つあります。
まず、コストです。富士トラムの整備コストは、登山鉄道案(約1400億円)より大幅に少なくなるのではないかと見込んでいます。鉄のレールを敷く必要がないことが大きなコスト削減の要因です。運行を始めて以降のメンテナンス費用も、登山鉄道案より大幅に削減できると考えています。コストを減らせるので、延伸のための費用に充てることが可能になります。
スバルライン上にレールを敷設する登山鉄道案は工期が長く、富士山観光を数年止めなければいけません。
富士トラムの場合、白線や磁気マーカーを敷設する簡単な工事で、環境への影響が少ない上、工事期間も短くて済むので富士山観光を止める必要がありません。これが第二の違いです。

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