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世界文化遺産登録10周年!富士山の普遍的価値を未来へ(3)

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山梨県

■見つめ直す、富士山の価値 富士山を通して、それぞれの人生と向き合う
平成25年6月、富士山は世界遺産に登録され、私たちはその普遍的な価値を後世に継承する責任を負いました。これからもずっと、富士山が世界の宝であり続けるために、私たち一人一人が富士山について正しく知り、保全に向けた意識を持つことが大切です。
そんな富士山の世界遺産登録や保全活動に深く関わってきたお二人に、それぞれの立場から富士山の価値や保全の在り方などについて語っていただきました。

近藤光一(富士山エコツアーガイド)×小田全宏(事業家・教育者)

事業家・教育者
小田全宏さん
認定NPO法人富士山世界遺産国民会議運営委員長
(株)ルネッサンス・ユニバーシティ代表取締役
世界遺産登録運動に尽力

富士山エコツアーガイド
近藤光一さん
富士山登山学校ごうりき代表((株)合力代表取締役)
環境省自然公園指導員
富士山の麓から山頂までのエリアにて、少人数エコツアーのガイド事業に従事。
ごうりきは環境省「エコツーリズム大賞」を受賞

◇富士山とともに歩んだ人生
近藤:僕は地元富士吉田市の出身ですが、かつてはまったく富士山に興味がありませんでした。30歳の時に副業として登山ガイドを始めたことから徐々に富士山に魅せられたのです。
ヨーロッパアルプス山脈の麓の街で山岳観光を勉強する機会に恵まれ、大勢で頂上を目指すだけの富士山登山の在り方に疑問を抱き、35歳で登山ガイドとして起業を決意しました。以来、富士山でエコツーリズム事業を展開し、これまで750回くらい登っています。
小田:私は富士山の世界遺産登録やその後の保全に関わる活動に20年以上携わってきました。
平成4年に日本が世界遺産条約を批准した当初、富士山の「自然遺産登録」を目指す流れがありました。しかし、富士山は固有の生態系などの強みが少なく、さらに環境問題を抱えていたことから、登録基準に合っていなかったのです。そこで私は、富士講に代表される信仰や、浮世絵に描かれてきた富士山の芸術としての価値に着目し「文化遺産登録」を目標に掲げ、平成15年から活動を開始しました。
それからさらに10年の歳月をかけて、富士山は「世界文化遺産」に登録されたのです。
近藤:世界遺産登録へと導いてくれた小田さんには、とても感謝しています。実は世界遺産登録が決まった時、登山ガイドとしては喜びよりも新たな課題が生じる事への不安の方が大きかったです。しかし、10年経った今は、世界の宝となったことでみんなの意識が富士山に向く良いきっかけになったと感じています。

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