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〔住民訴訟〕県が勝訴ー判決の内容を説明いたしますー1

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山梨県

山中湖畔の県有地裁判を巡り、県民が起こした住民訴訟について、甲府地裁は4月23日、県の主張を全面的に認める判決を言い渡しました。
判決の内容をわかりやすく解説いたします。

■県有地問題の経緯
昭和2年(1927)
557ヘクタールの県有地が現・富士急行の関連会社に貸し付けられる
昭和3年(1928)
別荘地の造成開始
昭和10年(1935)
ゴルフ場も含めたリゾート開発がスタート、貸し付けは継続され、面積は拡大
平成9年(1997)
別荘地など440ヘクタールの賃貸借契約を締結(20年間)
平成19年(2007)
賃料が近隣の別荘用地の評価額の約3分の1との報道
平成29年(2017)
さらに20年間の継続貸し付けの契約を締結同年賃料をめぐり、住民が山梨県知事を相手取り、富士急行に損害賠償請求するよう求める訴訟を起こす
令和3年(2021)3月
富士急行が山梨県に対し、賃借権の確認を求める訴訟を起こす同年7月山梨県が賃貸借契約は無効として富士急行に損害賠償を求める反訴
令和4年(2022)12月
甲府地裁が富士急行の賃借権を確認し、賠償責任はないとの判決
令和5年(2023)8月
東京高裁が県の控訴を棄却(富士急行が勝訴)。

■調査委託契約は合法 弁護士費用は妥当 住民側は控訴
山中湖畔では古くから富士急行が県有地を別荘地などに利用しています。
県民の財産である県有地を適正に活用するのは県の責務です。
そこで、県は富士急行に対する賃料の適正さを判断するため、賃料が決まった経緯や適正賃料の計算方法などについて調査をしてきました。この調査を進める中で、弁護士に支払う調査費用について、メディアなどで「費用が高すぎる」などの報道があったことも承知しています。
訴えを起こした住民側は、県が弁護士に調査を委託した契約が地方自治法などに違反していると主張し、弁護士に支払われた調査費6600万円を長崎幸太郎知事とその弁護士に支払わせるよう県側に求めるなどしていました。
甲府地裁の判決は、調査委託契約について、「今後を見据え、賃貸借契約の抜本的な解決を図るために行われた」もので、「知事の判断に裁量権の逸脱や濫用はなかった」と認定しました。
その上で、弁護士に支払われた金額の妥当性についても、「弁護士の役職に応じた1時間当たりの単価と、想定される所要時間を検討しているうえ、その単価も不相当なものとは言えない」として、違法性はないと判断しました。
また、弁護士と契約する経緯について、複数の見積もりをとらずに随意契約したことも争点になっていましたが、甲府地裁は「調査業務は昭和2年からの長期にわたる賃貸借契約を網羅的に検討するもので、この弁護士と随意契約を結ぶことが、県側の利益になると判断したことには理由がある」「他の弁護士から見積もりを取って比較する必要がなく、知事の判断は合理性を欠くとは言えない」と住民側の主張を退けました。
なお、住民側はこの判決を不服として控訴しました。

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