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新年特別企画・新春鼎(てい)談「まだ、知らないだけ。」(2)

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山梨県上野原市

■それぞれのプロジェクトについて
村上市長…お2人が、『「まだ、知らないだけ。」プロジェクト』に応募した理由と、その取り組みの内容について教えていただけますか。

長岡さん…私は、中井清太夫のジャガイモの栽培推進によって飢饉から民が救われ、この素晴らしい歴史と文化が生み出されたように、せいだ芋のまだ知らない価値を追求し、その見出された新しい価値がきっかけとなり、上野原市に新しい歴史や産業がもたらされていかないかなと思い、このプロジェクトに応募しました。具体的な取り組み内容としては、せいだ芋の美味しさと歴史を探求し、美味しさの理由と、その歴史的な背景を明文化することに取り組んでいます。そして、それらを基に、せいだ芋が上野原市の魅力を伝える「地域ブランド」に育つことを願って活動しています。

井上さん…私のプロジェクトは、「景色をきいてみる」というものです。簡単に説明すると、上野原市内をみんなで歩いて、「この景色、気になるな」という映像と、「この音、心地良いな」という音を集めて、それらを一つの作品にするというものです。さりげない日常の音をまちの映像に重ねていくというのがこの取り組みです。なぜ応募したかというところですが、上野原市内外の人が、丁寧に何かを見たり聞いたりする経験を、このプロジェクトで共有することで、障害の有無など関係なく、その人が生きてきた過程、背景などに心を配れるような意識作りになるんじゃないかというのがきっかけです。

村上市長…お2人のお話を伺って、胸が躍るといいますか、ワクワク感でいっぱいなりました。なんというか、物事が広がっていく感じがしてとても感動しています。

■今後の上野原市のビジョン
村上市長…お2人が考える、上野原市の可能性について、ご自身の希望や期待も含めてお聞かせいただけますか。

長岡さん…市内で実施したアンケート調査の結果では、7割以上の人が「せいだ芋が地域ブランドに発展すると嬉しい」と回答していました。そこで、地域と行政が一丸となって育てていくのはどうかなと思っています。さらに、この地域ブランドがきっかけとなって、上野原市の産業が発展していくような仕組み作りもできるといいのかなと思っています。そのためにも市には、「上野原せいだ芋」に関する施策や支援を充実させて、みなさんが一緒に取り組める環境を作っていっていただけると嬉しいです。

井上さん…去年、牛倉神社の祭りに久しぶりに遊びに行ったとき、子どもも大人も色とりどりのはっぴを着て祭りに臨んでいる光景を見て、私は、お祭り自体よりもむしろ、そこに集う人たちに注目しました。人それぞれ楽しみ方や関わり方が違って、そこには理由があって、上野原はこういう一人ひとりの生活で作られているんだなと改めて感じました。そう考えると、まだ読んでいないだけの本が街中に散らばっているような印象を受けました。ますます、上野原を作っている一人ずつのお話が聞きたいなと感じたので、個人の生活や大切にしているものを持ち寄って共有できるようなイベントなどを企画できたらなと思います。

村上市長…いろいろな年代、仕事、階層の人たちそれぞれが新しい可能性を秘めているということですね。そういうことからすると、上野原市に限らず、地方を元気にするためには、どんなことが必要だとお2人は考えますか。

長岡さん…地方には、ふるさとへの愛と、未来への希望や高い志であったり、情熱を持っている人が本当にたくさんいらっしゃるので、そういう人の思いと一緒に、行政も地域も一緒になって取り組んでいくことが大切だと思っています。私個人としても、「上野原せいだ芋」というものが上野原市の新しい歴史や文化、産業を導いていってくれたら嬉しいなと思っています。何より、これから来る未来が、みなさんにとって豊かで楽しいものであってほしいなと心から思っています。市長にも市民のみなさまにも、一緒に愛と希望を持って取り組んでいただけたら嬉しいです。

井上さん…地域で暮らすみなさんが、何気ない日常生活に目を向け、それを互いに大切にできるようになればと考えています。私がやっている「ローグ」という施設なんですけど、「ローグ」という言葉は、何かとくっつくことで初めて意味をなす言葉なんです。例えば「プロローグ」や「エピローグ」など、関わることで生まれる言葉や経験をすごく大事にしています。それは障害があってもなくても同様です。上野原市に住んでいる人同士が、少しずつ接点を持ちながら参加できるような取り組みが、このまちで進んでいくことを願っています。

村上市長…お2人のお話は、市内のいろいろな人たちが、それぞれ活躍をして、行政と一緒になって新しい未来を作っていく、希望の持てるまちを作っていくということですね。お2人のような活動を行政として伴走して支えていくことが大切なんだと感じました。そして、まだ知られていない活動、人、ものなどが、市内にはまだまだたくさんあると思いますので、今後も、行政としてしっかりと取り組んでいきたいと思います。

■行政放送 新春鼎談の様子はUBCで放送されます。
放送期間:1月1日(月)〜7日(日)
※放送時間などは、上野原ブロードバンドコミュニケーションズ(UBC)ホームページの行政放送番組表でご確認ください。

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